瘀血の症状をセルフチェック!原因と漢方・食事での改善方法

瘀血の症状をセルフチェック!原因と漢方・食事での改善方法 漢方

肩こりや頭痛、肌のくすみ、生理痛といった慢性的な不調は、東洋医学でいう「瘀血」が原因かもしれません。
瘀血とは血の流れが滞った状態を指し、様々な症状を引き起こします。

この記事では、ご自身の症状が瘀血に当てはまるかを確認するセルフチェックリストや、その原因、そして瘀血を治すための漢方・食事・生活習慣による改善方法を解説します。

この記事でわかること
・瘀血のサインがわかるセルフチェック項目
・血の巡りを悪くする生活習慣などの主な原因
・食事や漢方、セルフケアを通じた具体的な改善方法

瘀血とは?東洋医学で考える「血の滞り」のこと

瘀血とは、東洋医学において血液の流れが悪くなり、体内の一か所に停滞する状態を指します。
健康な血液は全身をスムーズに巡り、栄養を届け老廃物を運び去りますが、瘀血の状態になるとその働きが滞ります。
この血の滞りが特徴で、「瘀血証」という体質として捉えられます。

東洋医学では、生命活動の基本物質を「気・血・水」と考え、これらがバランスを崩すと不調が現れるとされます。
瘀血は血の異常ですが、気の不足や水の停滞、その他の老廃物なども密接に関係し、複合的な原因で引き起こされることも少なくありません。

【いくつ当てはまる?】瘀血のサインを見逃さないためのセルフチェックリスト

瘀血の症状は、体の様々な部分にサインとして現れます。
痛みや肌トラブルだけでなく、めまいや不眠、抜け毛といった一見関係なさそうな不調も、血の巡りの悪さが原因である場合があります。
これから紹介する項目にいくつ当てはまるかを確認し、ご自身の体の状態を把握する手がかりにしてみてください。

多くの項目が当てはまる場合は、瘀血の可能性を考えて生活習慣を見直すきっかけになります。

顔や肌に現れるサイン(シミ・くすみ・目の下のクマ)

血行が滞ると、皮膚に十分な栄養が届かず、老廃物が溜まりやすくなります。
その結果、顔色が悪く見えたり、肌にシミやそばかす、くすみが現れやすくなったりします。
特に目の周りは皮膚が薄いため影響が出やすく、青紫色のクマが目立つのが特徴です。

また、唇や歯茎の色が暗紫色になる、舌の裏の血管が青く浮き出る、爪の色が悪く、押しても赤みが戻りにくいといったサインも見られます。
皮膚表面に赤紫色でクモの巣状の細い血管が浮き出ることもあります。
乾燥肌や肌荒れへの漢方については「漢方で乾燥肌・肌荒れを改善」で詳しく紹介しています。

体の痛みに現れるサイン(肩こり・頭痛)

東洋医学には「不通則痛」という言葉があり、これは「流れが滞ると痛みが生じる」という意味です。
瘀血による痛みは、針で刺すようなチクチクとした痛みや、痛む場所がいつも同じで移動しないという特徴があります。

代表的な症状として、しつこい肩こりや、特定の場所が痛む頭痛が挙げられます。
その他、胸や腹部、腰の痛みなども、血の巡りが悪くなることで引き起こされる場合があります。

女性特有の悩みに現れるサイン(生理痛・レバー状の経血)

瘀血は特に女性の健康に深く関わります。
骨盤内の血流が滞ることで、子宮や卵巣の機能に影響を与え、つらい生理痛を引き起こす原因となります。
生理痛は下腹部が強く張って痛み、刺すような痛みを伴うことが多いです。

また、経血の色が暗い赤色や黒っぽくなり、レバー状の塊が混じるのも瘀血の代表的なサインです。
月経不順や子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害といった婦人科系のトラブルの背景に瘀血が隠れていることも少なくありません。

全身の不調に現れるサイン(冷え・のぼせ)

血流が滞ると、温かい血液が体の末端まで行き渡らなくなり、手足やお腹、腰などが冷えやすくなります。
一方で、体の中心部や上半身には熱がこもり、顔がほてったり、のぼせたりする「冷えのぼせ」の状態になることがあります。
これは全身の熱のバランスが崩れているサインです。

下半身は冷えているのに上半身は熱い、といった症状は瘀血の典型的な特徴の一つであり、自律神経の乱れにもつながることがあります。

あなたの瘀血はなぜ?血の巡りが悪くなる5つの主な原因

瘀血の原因は一つではなく、日々の生活習慣が複雑に影響し合って引き起こされます。
ストレスや運動不足、食生活の乱れなど、血の巡りを悪化させる要因は身近に潜んでいます。
ご自身の生活を振り返り、瘀血を招いている原因を探ることで、効果的な体質改善につなげることができます。

ここでは、瘀血につながる5つの主な原因について解説します。

原因①:ストレスによる気の巡りの悪化

東洋医学では、「気」が「血」を動かす原動力と考えられています。
強いストレスを感じると、気の流れがスムーズでなくなり、停滞する「気滞」という状態になります。
気が滞ると、それに伴って血の流れも悪くなり、瘀血を引き起こす原因となります。

また、慢性的な疲労などでエネルギー自体が不足する「気虚」の状態も、血を押し流す力が弱まるため、血の巡りが滞りやすくなります。
多嚢胞性卵巣症候群の疲れやすさについては「多嚢胞性卵巣症候群の「疲れやすい」は漢方で体質改善」で詳しく紹介しています。

原因②:運動不足によるポンプ機能の低下

血液は心臓のポンプ機能によって全身に送り出されますが、全身を巡った血液が心臓に戻る際には、筋肉の働きが重要になります。
特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、収縮と弛緩を繰り返すことで下半身の血液を心臓へと押し上げるポンプの役割を担っています。

デスクワークなどで長時間同じ姿勢が続いたり、日常的な運動の習慣がなかったりすると、このポンプ機能が低下し、血流が滞りやすくなります。

原因③:体を冷やす生活習慣

体温が低いと血管が収縮し、血の巡りが悪くなります。
冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎ、薄着、冷房の効いた環境に長時間いることなどは、体を内側と外側から冷やし、瘀血を助長する原因となります。

血液は温められるとスムーズに流れる性質があるため、慢性的な冷えは血行不良を招き、瘀血体質を悪化させる大きな要因です。
体を温める生活を心がけることが、血流改善の基本となります。
血行不良の漢方については「血行不良は漢方で改善!冷えやむくみを解消するタイプ別の選び方」で詳しく紹介しています。

原因④:脂質や糖質の多い乱れた食生活

食生活の乱れは、血液の質に直接影響を与えます。
動物性脂肪や揚げ物などの脂質、甘いお菓子や清涼飲料水に含まれる糖質を過剰に摂取すると、血液中のコレステロールや中性脂肪が増え、血液がドロドロの状態になります。
粘度が高くなった血液は流れにくくなり、瘀血の原因となります。

栄養バランスが偏った食事は、健康な血液を作る上でも妨げとなり、巡りの悪い体質を作り出してしまいます。
コレステロール対策の漢方については「コレステロール対策と漢方」で詳しく紹介しています。

原因⑤:加齢に伴う代謝の低下

年齢を重ねるとともに、基礎代謝は自然と低下していきます。
体を温める力やエネルギーを生み出す力が衰えるため、血行が悪くなりやすい状態になります。
また、血管自体の弾力性も失われがちになり、血を送り出す力も弱まります。

特に女性の場合は、閉経前後のホルモンバランスの変化も血流に大きく影響し、瘀血を進行させる一因となることがあります。

瘀血体質を改善するための具体的なアプローチ

瘀血体質の改善には、滞った血の流れを促進し、不要なものを体外へ排出する「活血化瘀(かっけつかお)」という考え方が基本となります。
漢方療法だけでなく、日々の食事や運動、入浴といったセルフケアを組み合わせることで、より効果的に血の巡りを良くし、根本的な体質改善を目指すことが可能です。
ここでは、今日から実践できる具体的な改善方法を紹介します。
多のう胞性卵巣と瘀血については「多のう胞性卵巣は瘀血なので活血が必要」で詳しく紹介しています。

食生活で血の巡りを良くする!積極的に摂りたい食べ物

血の巡りを良くするためには、血液をサラサラにする効果や体を温める作用のある食材を積極的に取り入れることが大切です。
玉ねぎ、にんにく、らっきょう、ニラなどの香味野菜や、DHA・EPAが豊富なサバ、イワシ、アジといった青魚はおすすめです。
また、体を温める生姜やシナモン、血行を促進する黒豆、黒きくらげ、黒酢なども良いでしょう。

これらの食材を日々の料理やレシピに加えることで、食生活から瘀血改善をサポートできます。

瘀血を悪化させる可能性があるため控えたい食べ物

血の巡りを悪くする食べ物を避けることも、体質改善には重要です。
体を冷やす性質のあるアイスクリームや冷たいジュース、夏野菜などの過剰な摂取は控えましょう。
また、白砂糖を多く含むお菓子や菓子パンは血液をドロドロにしやすいため注意が必要です。

動物性脂肪の多い肉類やバター、生クリームなどの乳製品も、摂りすぎると血行不良の原因となります。
これらの食品を完全に断つ必要はありませんが、意識して摂取量を減らすことが大切です。

瘀血の改善に用いられる代表的な漢方薬

瘀血の改善には、血の巡りを良くする「駆瘀血剤(くおけつざい)」と呼ばれる漢方薬が用いられます。
代表的な漢方薬には、比較的体力のある方向けの「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」、体力がなく冷えや貧血傾向のある方向けの「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などがあります。
どの漢方薬が合うかは体質や症状によって異なるため、自己判断で選ばず、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談の上で服用することが重要です。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の漢方療法については「桂枝茯苓丸加薏苡仁」の効果と飲み方:子宮筋腫の漢方療法」で詳しく紹介しています。

日常でできる!血行を促進するツボ押しと簡単ストレッチ

ツボ押しやストレッチは、滞った血流を促す手軽なセルフケアです。
血の巡りに関係するツボとして、内くるぶしから指4本分上にある「三陰交」や、膝のお皿の内側、指3本分上にある「血海」などが知られています。
心地よい強さで数秒間押すのを繰り返しましょう。

また、特に滞りやすい下半身の血流を改善するため、足首を回したり、ふくらはぎを伸ばしたりする簡単なストレッチを習慣にすると効果的です。
膝の痛みにおすすめの漢方薬については「変形性膝関節症(膝の痛み)におすすめの漢方薬」で詳しく紹介しています。

体を芯から温める入浴法で血流をスムーズに

シャワーだけで済ませず、湯船に浸かる習慣は血行促進に非常に効果的です。
38~40℃程度のぬるめのお湯に15~20分ほどゆっくり浸かると、副交感神経が優位になって血管が広がり、全身の血流が良くなります。
体を芯から温めることで、冷えの改善にもつながります。

入浴前と入浴後には、コップ一杯程度の水や白湯で水分補給をすることも忘れないようにしましょう。
血液がドロドロになるのを防ぎ、よりスムーズな流れを助けます。

瘀血に関するよくある質問

ここでは、瘀血に関して多く寄せられる質問にお答えします。

瘀血を改善する漢方薬は、どのくらいの期間で効果を実感できますか?

体質や症状の程度によりますが、一般的に2週間から1ヶ月程度で何らかの変化を感じ始める方が多いです。
ただし、長年の体質を改善するには時間がかかるため、3ヶ月以上継続することが望ましい場合もあります。
焦らずじっくりと体と向き合うことが大切です。

瘀血は西洋医学ではどのような病気や状態にあたりますか?

瘀血は東洋医学独自の概念であり、西洋医学の特定の病名に直接対応するものではありません。
しかし、血行不良、血液循環障害、高血圧、動脈硬化、子宮内膜症、月経困難症など、血液の流れの滞りが関与する様々な疾患や状態と関連が深いと考えられています。
変形性膝関節症への漢方薬の効果については「膝に水が溜まる症状と漢方薬」で詳しく紹介しています。

瘀血は女性特有のものですか?男性や子供でもなりますか?

女性特有のものではありません。
月経があるため女性に瘀血の症状が現れやすい傾向はありますが、生活習慣やストレスは性別や年齢に関係なく血流に影響します。

そのため、乱れた生活を送っていれば、男性や子供でも瘀血の状態になる可能性は十分にあります。

まとめ

瘀血は、肩こり、頭痛、肌トラブル、生理痛など、多くの慢性的な不調の根底にある体質状態です。
その原因はストレスや運動不足、食生活の乱れといった日々の生活習慣に潜んでいます。
セルフチェックで当てはまる項目が多かった場合は、まず食事や運動、入浴など、できることから生活を見直してみてください。

血の巡りを整えることで、つらい症状の改善が期待できます。
不調が続く場合は、漢方薬局や医療機関に相談することも一つの方法です。

歳森 三千代
(としもり みちよ)
/ 薬剤師

岡山県岡山市にある不妊・妊活専門の漢方相談薬局 福神トシモリ薬局で、漢方と体質改善による妊活支援・身体づくりを専門とする薬剤師。これまで延べ1,300名以上の妊娠相談実績を持つ(全国からの相談対応あり)。 ブログでは「漢方や健康に関する豆知識」「妊活・不妊のお役立ち情報」「体質に合わせた漢方の使い方」など、専門知識に基づく実践的な情報を発信しています。読者の生活に寄り添い、長年の相談実績をもとに分かりやすく解説することを心がけています。
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