【〈神道〉のこころ 葉室頼昭著を読んで】
葉室氏は奈良県の春日大社の前宮司です。
大阪大学医学部を卒業され医者になられ、63才の時枚岡神社宮司をへて、春日大社の宮司になられました。葉室宮司のこの本を読んでとても感銘を受けましたのでここに内容の一部をご紹介します。
『医学部の学生時代、当時不治の病ともいわれた結核が突如「消え失せる」という神秘な体験をした私は、その後、医療の世界に携わりながら、この不思議で驚くべき私の体験がいったいどうして起こったのか、その答えを探求し続けてきましたが、またそれは同時に本当のこと人間としてどのように生きていくことが真実の幸せなのかを求める日々でもありました。
―感謝するこころが、健康の基本であるー
どうやったら健康になるかというのは、西洋医学でいう健康法とは全然違うことです。ジョギングをしたら健康になるとか、こんな食べ物を食べたら健康になるとかいうのではなくて、宇宙の仕組みから見てどうやったら健康になるかということです。
まず、第一に生かされていることに感謝しなさい。自分で生きていると思うから病気するんですよ。
悩み、苦しみはすべて自分で生きているというところから出発する。生かされているという本当のことを知りなさい。そうしたら感謝するこころが生まれる。感謝とはいったい何かを、宇宙の構造から説明する。
例えば、お日さまは明るくて暖かいとみんな思っている。これが間違いで、太陽の光は暖かくもなければ明るくもない。太陽の光が明るくて暖かいんだったら、太陽と地球の間の宇宙空間は明るくて、暖かいはずです。ところがここは真っ暗で冷たい。
だけど、地球では明るいのは地球の周りに空気があるからです。空気で反射すると光と熱が出てくる。反射しなければ光も熱も出てこない。空気の反射のおかげで光と熱が出てくる。これと感謝は同じことです。神のお恵みはみんな平等にいただいている。でも、ある人は不幸になり、ある人は幸せになる。
なぜか、感謝です。
神の波動は感謝しなければお恵みとなって出てこないのです。
感謝すると神からいただいているエネルギーが出てきます。
感謝しない限りは出てこない。ジョギングしたって、うまいものを食べたって、そんなものは問題にならない。
基本は生かされていることに感謝する。
そうすると、いただいている恵みがエネルギーとなって出てくる。
人間の体はただのモノじゃないから、手術したら勝手に治るかというと治らないんです。治すだけの力が出てこなければ治らない。そんなものはいくら栄養を摂ってもダメです。
やはり全てのものの根本となる感謝によって、宇宙からもらっている、祖先からもらっているエネルギーを出さなければ、本当には治りません。』