多嚢胞性卵巣症候群の「疲れやすい」は漢方で体質改善!おすすめ市販薬も
漢方
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善では、月経不順や妊活への影響が注目されがちですが、「常に疲れやすい」「体がだるい」といった日常的な不調に悩む方も少なくありません。
このブログ記事では、西洋医学とは異なる視点から、漢方薬を用いた体質改善によってPCOSの疲労感をケアする方法を解説します。
自分の体質に合うおすすめの漢方薬や、ドラッグストアで手に入る市販薬も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
多嚢胞性卵巣症候群で疲れやすいのはなぜ?東洋医学が考える3つの原因
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状は月経異常だけでなく、疲れやすさやだるさも含まれます。
東洋医学では、PCOSによる疲労は、単なる疲れではなく体内のバランスの乱れが原因と考えられています。
主に「気虚(ききょ)」「瘀血(おけつ)」「痰湿(たんしつ)」という3つの体質が関係しているとされ、これらが複合的に影響し合うことも少なくありません。
自分の体がどのタイプに当てはまるかを知ることが、効果的な体質改善の第一歩となります。
原因①エネルギー不足で元気がでない「気虚(ききょ)」
「気虚」とは、生命活動のエネルギー源である「気」が不足している状態です。
気を生み出す力が弱まると、疲れやすい、だるい、やる気が出ないといった症状が現れます。
特に、胃腸の働きが弱い人は、食事から十分な気を取り込めず気虚に陥りやすい傾向があります。
PCOSの人は、ホルモンバランスの乱れから自律神経が影響を受け、胃腸機能が低下しやすいため、気虚の状態を招くことがあります。
食後に眠くなる、風邪をひきやすい、息切れしやすいといった症状も気虚のサインです。
原因②血の巡りが悪く栄養が届かない「瘀血(おけつ)」
瘀血とは、血液の流れが滞り、体の隅々まで栄養や酸素が十分に行き渡らない状態を指します。
血行不良になると、新鮮な血液が細胞に届かず、老廃物が溜まりやすくなるため、疲労感や肩こり、頭痛、生理痛といった不調を引き起こします。
PCOSでは、ホルモンバランスの乱れが血流に影響を与え、瘀血を招きやすいと考えられています。
顔色が悪く見える、唇の色が暗い、シミやそばかすができやすい、手足が冷えるといった症状は、瘀血が原因である可能性を示唆しています。
原因③体に老廃物が溜まっている「痰湿(たんしつ)」
「痰湿」とは、体内の水分代謝が悪化し、余分な水分や老廃物が溜まってしまっている状態です。
水分が滞ると、体が重だるく感じられ、むくみやめまい、吐き気などの症状が現れます。
PCOSの人は、インスリン抵抗性の影響を受ける場合も多く、体内に水分を溜め込みやすく、痰湿体質になりやすい傾向があります。
特に、雨の日や湿度の高い日に体調が悪化する、舌に白い苔が分厚くついている、軟便や下痢をしやすいといった特徴が見られます。
この体質は、卵巣に老廃物が溜まりやすい状態とも関連しています。
あなたの疲れの原因はどれ?PCOSの体質を簡単セルフチェック
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に伴う疲れやすさは、一人ひとり原因となる体質が異なります。
東洋医学の考え方に基づき、自分の疲れが「気虚」「瘀血」「痰湿」のどのタイプに当てはまるのか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
最も当てはまる項目が多いタイプが、現在の自分の主な体質と考えられます。
複数のタイプにまたがる場合もあるため、自分の体のサインに耳を傾け、体質改善のヒントにしてください。
【気虚タイプ】食後に眠くなり、やる気が出ない
気虚タイプの人は、生命エネルギーである「気」が不足しており、全体的に元気がないのが特徴です。
具体的な症状としては、食後に強い眠気を感じる、少し動いただけでも息切れがする、風邪をひきやすく長引きやすい、声に力がなく小さい、胃腸が弱く食が細い、日中から強い疲労感がある、などが挙げられます。
これらの症状は、エネルギーを生み出す力が弱っているサインです。
普段から活力が湧かず、何事に対してもやる気が出にくいと感じる場合は、気虚タイプの可能性が高いでしょう。
【瘀血タイプ】肩こりや生理痛がひどく、顔色が悪い
瘀血タイプの人は、血流が滞り、体の隅々まで栄養が届きにくくなっています。
そのため、肩こりや頭痛が慢性化し、特に生理痛がひどく、経血にレバー状の塊が混じることが多くなります。
また、血行不良により顔色が悪く、くすんで見えたり、目の下にクマができやすかったりするのも特徴です。
その他、肌にあざができやすい、手足の冷えが気になる、唇の色が紫がかっているといったサインも見られます。
これらの症状は、血液の滞りが原因で起こる不調であり、瘀血体質を示しています。
【痰湿タイプ】むくみやすく、体が重だるい
痰湿タイプの人は、体内の水分代謝が悪く、余分な水分や老廃物が溜まっている状態です。
最も分かりやすい症状はむくみで、特に朝に顔がパンパンになったり、夕方になると足がむくんだりします。
体が常に重だるく感じられ、すっきりしないのが特徴です。
また、雨の日や湿気が多い日に体調が悪化しやすい、吐き気やめまいを感じることがある、軟便や下痢をしやすい、舌の苔が厚いといった症状も現れます。
これらのサインは、体内に不要なものが溜まっていることを示しており、痰湿体質である可能性が高いです。
【体質別】疲れやすいPCOSの改善が期待できる漢方薬
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疲れやすさを改善するためには、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが重要です。
ここでは、「気虚」「瘀血」「痰湿」の3つのタイプ別に、おすすめの漢方薬を紹介します。
これらの漢方薬は、不足したエネルギーを補ったり、血流や水分代謝を促したりすることで、疲労感を和らげ、体全体のバランスを整える働きが期待できます。
妊活中の体づくりにも役立つ漢方薬もあるため、自分の症状と照らし合わせて参考にしてください。
なお、PCOSでは柴苓湯などが用いられることもあります。
【気虚タイプ向け】胃腸の働きを助け元気を補う「補中益気湯」
気虚タイプの方には、胃腸の働きを整え、気を補う代表的な漢方薬である「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」が適しています。
この漢方薬は、「気」を生み出す源である消化吸収機能を高めることで、エネルギー不足を根本から改善します。
疲れやすく、食欲不振や食後の眠気、日中のだるさを感じる場合に特に効果的です。
体力を回復させ、気力を高める作用があるため、元気を取り戻し、活動的な毎日を送るためのサポートとなります。
虚弱体質や夏バテ、病後の体力低下などにも広く用いられる漢方薬です。
【瘀血タイプ向け】血を補い巡りを良くする「当帰芍薬散」
瘀血タイプの疲れやすさには、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」がおすすめです。
この漢方薬は、不足している「血(けつ)」を補いながら、血行を促進する働きがあります。
血流を改善することで、体の隅々まで栄養を届け、冷えや貧血に伴う疲労感を和らげます。
特に、色白で冷え性、めまいや立ちくらみ、肩こり、重い生理痛に悩む方に適しています。
ホルモンバランスを整える作用も期待できるため、月経不順や妊活中の体づくりにも頻繁に用いられる、女性のための代表的な漢方薬の一つです。
当帰芍薬散は血行不良による不調を多角的にケアします。
【痰湿タイプ向け】体を温め余分な水分を出す「温経湯」
痰湿タイプの重だるさやむくみには、温経湯が適しています。
この漢方薬は、体を内側から温めて血行を促進し、余分な水分や老廃物の排出を助ける働きがあります。
水分代謝を整えることで、体の重だるさやむくみを改善し、すっきりとした体調へと導きます。
また、温経湯は血を補いホルモンバランスを整える作用も持ち合わせているため、手足の冷えやほてり、唇の乾燥、月経不順といった症状にも効果が期待できます。
特に、下腹部が冷えやすい女性の不調全般に広く用いられる処方です。
漢方薬はどこで手に入る?市販薬と処方薬の選び方
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善のために漢方薬を試したい場合、主な入手方法としてドラッグストアなどで購入できる市販薬と、クリニックで処方される医療用漢方薬や漢方薬局でオーダーメイドで選んでもらう漢方薬などがあります。
それぞれにメリットがあるため、自分の状況や目的に合わせて選ぶことが大切です。
ツムラやクラシエ、コタローなど多くのメーカーから漢方薬が販売されています。
ドラッグストアで購入できる市販の漢方薬から試す
漢方薬を初めて試す場合や、まずは手軽に始めたいという方には、ドラッグストアやオンラインストアで購入できる市販薬が便利です。
医師の診察なしで購入できるため、時間的な制約が少なく、自分のタイミングでセルフケアを始められます。
パッケージには効能・効果や対象となる体力が明記されており、選びやすいのが特徴です。
ただし、市販の漢方薬は、多くの人に合うように成分量が調整されている場合があります。
まずは短期間試してみて、効果を感じられるか、自分の体質に合っているかを確認するのに適しています。
根本的な体質改善を目指すなら漢方薬局やクリニックに相談する
より根本的な体質改善を目指す場合や、自分の体質に最適な漢方薬を選びたい場合は、漢方の専門家がいる薬局やクリニックに相談することをおすすめします。
専門家は、問診や舌診、脈診などを通して個人の体質を詳しく見極め、数百種類ある薬の中から最も適した漢方薬を選んでくれます。
また、既製の漢方薬だけでなく、その人の体質に合わせて生薬を組み合わせる「オーダーメイド漢方」が可能な場合もあります。
費用は高くなる傾向がありますが、専門的な視点からアドバイスを受けながら服用を進められるため、高い効果が期待できます。
漢方とあわせて実践したい!疲れにくい体をつくる3つの生活習慣
漢方薬による体質改善の効果を最大限に引き出すためには、日々の生活習慣を見直すことが不可欠です。
特に「食事」「運動」「睡眠」は、PCOSのケアにおいて重要な要素となります。
これから紹介する3つの習慣を漢方と組み合わせることで、相乗効果が期待でき、疲れにくい健やかな体づくりにつながります。
肥満傾向があり、ダイエットが必要な場合には、脂肪燃焼を助ける防風通聖散などの漢方が選択されることもありますが、まずは基本的な生活習慣を整えることが基本です。
血糖値の急上昇を抑える食事の摂り方
PCOSの人はインスリン抵抗性があることが多く、血糖値が急上昇しやすい傾向にあります。
血糖値の乱高下は、強い眠気やだるさの原因となるため、食事の摂り方が重要です。
食事の際は、まず野菜やきのこ、海藻などの食物繊維が豊富なものから食べ始める「ベジファースト」を心がけましょう。
これにより、糖の吸収が穏やかになります。
また、白米やパンなどの精製された炭水化物を控えめにし、玄米や全粒粉パンを選ぶことも有効です。
食事をゆっくりよく噛んで食べることで、血糖値の急上昇を防ぎ、疲労感を軽減できます。
ウォーキングなど軽い運動で血流を促す
適度な運動は、血行を促進し、体内のエネルギー循環を改善するために非常に効果的です。
特にウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い有酸素運動は、体に負担をかけずに血流を促し、気や血の巡りを良くします。
運動によって筋肉が動かされると、全身に酸素や栄養が行き渡りやすくなり、疲労物質の排出もスムーズになります。
また、運動はインスリンの働きを改善する効果も期待できるため、PCOSの体質改善にもつながります。
まずは1日20分程度のウォーキングから始め、継続することを目標にしましょう。
ホルモンバランスを整えるために23時までに寝る
質の良い睡眠は、ホルモンバランスを整え、心身の疲労を回復させるために不可欠です。
特に、夜22時から深夜2時にかけては、成長ホルモンをはじめとする多くのホルモンが分泌されるゴールデンタイムとされています。
この時間帯に深く眠ることで、乱れがちなホルモンバランスが整いやすくなります。
PCOSの症状改善のためにも、できるだけ23時までには就寝する習慣をつけましょう。
寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用は、脳を覚醒させてしまうため控えるのが賢明です。
リラックスできる環境を整え、十分な睡眠時間を確保することが疲れにくい体をつくる鍵となります。
多嚢胞性卵巣症候群の漢方療法に関するよくある質問
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善で漢方薬を取り入れることを検討する際、さまざまな疑問が浮かぶかもしれません。
ここでは、西洋薬との併用、効果を実感できるまでの期間、副作用の有無など、PCOSの漢方療法に関してよく寄せられる質問にお答えします。
漢方薬を安心して活用するために、基本的な知識をここで確認しておきましょう。
病院の薬(ピルや排卵誘発剤)と漢方は一緒に飲んでも大丈夫?
基本的には併用可能ですが、必ず医師や薬剤師に相談してください。
漢方薬は西洋薬の働きをサポートし、副作用を軽減する目的で併用されることもあります。
自己判断で併用せず、現在服用している薬を専門家に伝えた上で、飲み合わせに問題がないかを確認することが安全な服用への第一歩です。
漢方薬を飲み始めてから効果を実感できるまでの期間は?
効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、一般的には2週間から1ヶ月程度で何らかの変化を感じ始める方が多いです。
慢性的な症状や体質改善が目的の場合は、3ヶ月以上の継続的な服用が目安となります。
焦らずにじっくりと自分の体の変化を見ながら、服用を続けることが重要です。
漢方薬に副作用や注意点はありますか?
漢方薬は自然由来の生薬でできていますが、副作用が全くないわけではありません。
体質に合わない場合、胃の不快感や食欲不振、皮膚の発疹などが現れることがあります。
また、甘草(カンゾウ)を含む漢方薬の長期服用では、偽アルドステロン症によるむくみや血圧上昇に注意が必要です。
異変を感じたら服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に伴う「疲れやすさ」は、東洋医学の視点で見ると「気虚」「瘀血」「痰湿」といった体内のバランスの乱れが原因と考えられています。
自分の体質を理解し、補中益気湯や当帰芍薬散、温経湯といった適切な漢方薬を選ぶことで、疲労感を和らげることが期待できます。
漢方薬は市販でも手に入りますが、根本的な改善を目指すなら専門家への相談が有効です。
また、食事や運動、睡眠といった生活習慣を整えることも、漢方の効果を高め、健やかな体を取り戻す上で重要な要素となります。
