生理中の下痢はなぜ?原因と薬・食べ物ですぐできる対処法
健康
生理の時になると、下腹部痛だけでなく下痢の症状に悩まされる方は少なくありません。
なぜ生理中に下痢が起きるのか、その原因はホルモンバランスの変化にあります。
つらい症状を和らげるためには、薬や食べ物の選び方など、ご自身に合った対処法を知ることが大切です。
▼この記事でわかること
・生理中に下痢が起こる2つの主な原因
・薬や食事など、つらい症状をすぐに和らげるための具体的な対処法
・下痢を悪化させやすい食事と、普段からできる予防・改善策
・日常生活に支障が出るなど、病院受診を検討すべき症状の目安
生理で下痢になるのはなぜ?主な2つの原因を解説
生理になると下痢が起きる主な理由として、「プロスタグランジン」という物質の分泌と、「女性ホルモン」の周期的な変動という2つの原因が挙げられます。
これらの体内での変化が、子宮だけでなく腸の働きにも密接に関係し、下痢の症状を引き起こすのです。
生理と下痢との関連性を理解することで、適切な対策を取りやすくなります。
原因①:子宮の収縮を促すプロスタグランジンの過剰分泌
プロスタグランジンは、生理時に経血を体外へ排出するために子宮を収縮させる働きを持つ物質です。
この分泌量が多いと、子宮の収縮が強くなり生理痛の原因となります。
さらに、この物質は腸にも作用して、ぜん動運動を過剰に活発にさせるため、腹痛を伴う下痢を引き起こすことがあります。
東洋医学では、気血の巡りが滞る「気滞」や「瘀血」が痛みの原因と捉え、巡りを良くすることが重要と考えます。
原因②:生理周期で変動する女性ホルモンのバランス
女性の体は生理周期に合わせてホルモンバランスが大きく変動します。
特に排卵後から生理予定日の1週間前や3日前までは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加します。
このホルモンは腸の動きを鈍くさせるため便秘になりやすい傾向があります。
しかし、生理が始まると黄体ホルモンの分泌が急激に減少し、それまで抑えられていた腸の動きが活発になり、結果として下痢が起こりやすくなります。
つらい生理中の下痢をすぐに和らげる4つの対処法
ひどい下痢や腹痛は、日常生活にも影響を及ぼすつらい症状です。
我慢せずに、今すぐできる対策を取り入れて症状を和らげましょう。
市販薬の活用や食事の見直し、体を温める工夫など、症状を緩和させる方法はいくつかあります。
普通の下痢とは原因が異なる場合もあるため、生理中の下痢を抑えるためのポイントを知っておくことが大切です。
対処法①:市販薬を正しく使って症状を抑える
生理中の下痢や腹痛には、市販薬も有効です。
イブプロフェンやロキソニンといった鎮痛剤は、下痢の原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑えるため、腹痛と下痢の両方の緩和が期待できます。
下痢の症状が特にひどい場合は、ロペラミドを配合した下痢止めを併用することも可能ですが、まずは薬剤師に相談しましょう。
整腸剤で腸内環境を整えるのも一つの方法です。
なお、カロナールは作用が異なるため、下痢への直接的な効果は限定的です。
対処法②:消化に良い食べ物を選び胃腸を休ませる
下痢をしている時は、胃腸が過敏になっています。
消化に時間のかかる食べ物は避け、おかゆやうどん、野菜スープ、バナナなど、胃腸に負担をかけない食事を心がけましょう。
腸への刺激を減らし、機能を休ませてあげることが症状の緩和につながります。
対処法③:カイロや腹巻でお腹周りをしっかり温める
お腹周りを温めることは、血行を促進し痛みを和らげる効果が期待できます。
カイロを下腹部や腰に貼ったり、腹巻を着用したりするのが手軽な方法です。
ゆっくりと湯船に浸かるのも良いでしょう。
東洋医学では「冷え」は万病のもととされ、特に女性の不調に大きく関わると考えます。
くるぶしの上にある「三陰交」というツボを温めるのも効果的です。
対処法④:体を締め付けない服装でリラックスする
スキニージーンズや補正下着など、体を締め付ける服装は血行を妨げ、ストレスの原因にもなります。
生理中は、ウエストがゴムのスカートやゆったりとしたワンピースなど、リラックスできる服装を選びましょう。
血行が悪くなると、腹痛や下痢の症状が悪化しやすくなります。
仕事中も、なるべく楽な姿勢を保つなどの工夫を心がけてください。
生理中の下痢を悪化させやすい食事・飲み物
生理中はホルモンバランスの影響で、普段よりも胃腸がデリケートな状態です。
何気なく口にしている食事や飲み物が、下痢や胃痛といった症状を悪化させる原因になっているかもしれません。
症状を少しでも軽くするために、生理中に避けるべき飲食物を知っておきましょう。
PMSの胃痛については「PMSの胃痛の対処法と妊娠との見分け方」で詳しく紹介しています。
冷たい飲み物や食べ物は胃腸の負担に
冷たい飲み物や食べ物は、直接的に胃腸を冷やし、その働きを低下させてしまいます。
血行も悪くなるため、腹痛や下痢を悪化させる原因となります。
下痢の際は脱水症状を防ぐために水分補給が重要ですが、その際は冷たい水ではなく、常温の水や白湯、カフェインの入っていない温かいお茶を選ぶようにしましょう。
カフェインやアルコールなどの刺激物は控える
コーヒーやお茶に含まれるカフェイン、そしてアルコールは、胃腸を刺激してぜん動運動を活発にする作用があります。
そのため、生理中にこれらを摂取すると、下痢の症状を悪化させてしまう可能性があります。
生理期間中は、デカフェのコーヒーやハーブティーなどを選ぶと良いでしょう。
揚げ物など脂質の多い食事は消化しにくい
天ぷらや唐揚げ、スナック菓子など脂質の多い食事は、消化に時間がかかり胃腸に大きな負担をかけます。
ただでさえデリケートになっている生理中の胃腸には、避けるべき食べ物です。
消化不良は下痢の原因となるだけでなく、体重増加にもつながりやすいため、生理中は特に和食中心の消化に良い食事を意識することが大切です。
次の生理で繰り返さないための予防・改善策
毎月のように繰り返す生理中の不調は、日々の生活習慣を見直すことで予防、改善が期待できます。
つらい症状を根本から見直すためには、生理中だけでなく、普段からの体質改善を意識することが重要です。
バランスの取れた食事や適度な運動を取り入れ、次の生理に備えましょう。
日頃から腸内環境を整える食生活を意識する
日頃から腸内環境を整えておくことは、生理中の下痢や便秘の予防につながります。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品、海藻やきのこ類などの食物繊維を意識的に摂取しましょう。
腸内環境が整うと、正常な便が出やすくなります。
普段から便の状態をチェックし、黒い便など異常がないか確認する習慣も大切です。
便秘と下痢を繰り返しがちな人は特に意識してみてください。
適度な運動で血行を促進しストレスを解消する
ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの適度な運動は、全身の血行を促進し、体の冷えを改善する効果があります。
血の巡りが良くなることで、生理痛の緩和も期待できます。
また、運動はストレス解消にも役立ち、自律神経のバランスを整えることにもつながります。
無理のない範囲で、日々の生活に運動を取り入れてみましょう。
低用量ピルでホルモンバランスを安定させる選択肢も
セルフケアだけでは症状の改善が難しい場合、低用量ピルを用いた治療も選択肢の一つです。
低用量ピルは、排卵を抑制して女性ホルモンの変動を緩やかにすることで、月経困難症の症状を和らげる効果があります。
また、体質改善を目指すなら漢方薬も有効です。
冷えや貧血傾向のある方には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などが用いられることがあります。
低用量ピルの服用については、一度、婦人科で相談してみることをお勧めします。
これって大丈夫?病院受診を検討すべき症状の目安
生理に伴う下痢は多くの女性が経験しますが、中には病気が隠れているケースもあります。
セルフケアで対応できる範囲を超えた症状や、いつもと違うと感じる場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
生理がこないといった別の悩みがある場合も同様です。
生理不順の改善については「生理不順を漢方で改善!体質・症状別におすすめの漢方薬を紹介」で詳しく紹介しています。
日常生活に支障が出るほどのひどい下痢や腹痛がある場合
鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらず、仕事や学校を休まなくてはならないほどのひどい腹痛や下痢が毎月続く場合は、医療機関を受診しましょう。
特に、夜中や朝方に急に激しい痛みで目が覚める、大量の下痢が続くなど、日常生活に大きな支障が出ている場合は、早めに相談することが重要ですS。
下痢以外に気になる症状(血便・高熱など)が見られる場合
下痢に加えて、血便や38度以上の高熱、繰り返す吐き気、強い倦怠感、立てないほどの腰痛といった症状がある場合は、婦人科系以外の病気の可能性も考えられます。
これらの症状は、感染症や消化器系の疾患も疑われるため、早急に医療機関を受診してください。
妊娠初期の症状と似ている場合もあり、自己判断は禁物です。
生理前の吐き気・気持ち悪さの原因と対処法については「生理前の吐き気・気持ち悪さの原因と対処法」で詳しく紹介しています。
考えられる病気:月経困難症や子宮内膜症の可能性
生理に伴うつらい症状は「月経困難症」と呼ばれ、治療の対象となります。
その背景には、子宮内膜またはそれに似た組織が子宮の内側以外の場所で発生・増殖する「子宮内膜症」が隠れている可能性も否定できません。
また、ストレスなどが原因で下痢や便秘を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」が生理周期によって悪化しているケースもあります。
子宮内膜症と漢方薬については「子宮内膜症と漢方薬」で詳しく紹介しています。
何科を受診すればいい?まずは婦人科への相談がおすすめ
生理に関連する下痢や腹痛で悩んでいる場合は、まず婦人科または産婦人科を受診するのが良いでしょう。
問診や内診、超音波検査などを通じて、子宮や卵巣に異常がないかを確認してもらえます。
もし消化器系の病気が疑われる場合は、適切な専門科を紹介してもらうことも可能です。
生理 下痢に関するよくある質問
生理中の下痢に関して、多くの方が抱く疑問について解説します。
症状がいつからいつまで続くのか、薬の飲み合わせなど、気になる点は人それぞれです。
一般的な目安として、症状が現れる期間などを参考にしてください。
Q1. 生理痛の薬と市販の下痢止めは一緒に飲んでも大丈夫ですか?
基本的には併用可能ですが、自己判断は避けましょう。
生理中の下痢は鎮痛剤だけで治まることも多いため、まずは鎮痛剤を試すのがおすすめです。
それでも改善しない場合は、薬剤師や登録販売者に相談の上、下痢止めを使用してください。
Q2. 生理が終わったのに下痢が続くのはなぜですか?
生理が終わってもホルモンバランスが完全に整うまでには時間がかかるため、数日下痢が続くことがあります。
また、生理中の食生活の乱れが影響している可能性も考えられます。
もし、生理が終わってから1週間後や3日以上経っても症状が改善しない場合は、他の原因も考えられるため、一度医療機関に相談しましょう。
Q3. 下痢以外の症状(便秘やガス溜まり)も生理が関係していますか?
はい、大いに関係しています。
特に生理前は黄体ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、便秘気味になったり、お腹にガスが溜まりやすくなったりする方が多いです。
そして生理が始まるとホルモンバランスが変わり、下痢へと転じるというサイクルを繰り返すことがよくあります。
生理前にガスが溜まる・お腹が張る原因については「生理前にガスが溜まる・お腹が張る原因は?漢方薬で対策しよう」で詳しく紹介しています。
まとめ
生理中の下痢は、プロスタグランジンや女性ホルモンの影響で起こる生理的な現象の一つです。
つらい症状は、市販薬や食事の工夫、体を温めることで緩和できます。
日頃から腸内環境を整え、適度な運動を心がけることが予防につながります。
しかし、日常生活に支障をきたすほどのひどい症状や、血便など他の異常が見られる場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性もあるため、1週間以上続くなど気になる場合は我慢せずに婦人科を受診しましょう。


