不妊症とストレスの関係
ストレスは精神的な負荷だと捉えられがちですが、身体にもあらゆる影響を与えます。
そして、不妊症の原因にもなってきます。
不妊とは、生殖年齢に達した男女が妊娠を希望し、1年以上避妊することなく夫婦生活を持っているにも関わらず妊娠が成立しない状態を指しています。
長らく不妊治療を続けているという方もいらっしゃると思います。
中には、終わりの見えない不妊治療がストレスの原因となっている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、不妊症とストレスの関係についてお話しさせていただきます。
ストレスによって引き起こされる女性不妊
妊娠を妨げている何らかの原因が女性にある場合には「女性不妊」とされますが、女性不妊の中でもストレスによる不妊症は「機能性不妊」に分類されます。
妊娠を妨げている原因が検査で判明する場合は「器質性不妊」、一般的な検査では不妊の原因を見つけられない場合「機能性不妊」となります。
ストレスが原因でホルモンバランスが不安定になる
卵巣機能不全は、卵巣が分泌するホルモンバランスが不安定になり、月経異常や排卵障害を引き起こしている状態を指します。
卵巣から分泌される女性ホルモン、「エストロゲン」と「プロゲステロン」には、以下のような働きがあります。
エストロゲン(卵胞ホルモン)
・卵胞を成熟させる。
・子宮頚管粘液の分泌量を増やし、精子が子宮まで進んでいきやすいようサポートする。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
・子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすい環境を整える。
これらのホルモンの分泌が不十分な状態だと、排卵が起こっても、受精や着床がうまくできない可能性があります。
卵巣機能の低下を招く原因は、多くの場合ストレスです。
エストロゲン・プロゲステロンは、脳の視床下部から下垂体、卵巣へと指令が伝わることで分泌されますが、視床下部は同時に自律神経も司っている器官です。
ストレスにより自律神経が乱れることで、ホルモンバランスにも影響が及び、月経や排卵に異常をきたしてしまうのです。
ストレスによって引き起こされる男性不妊
妊娠が男女のどちらかだけで成立するものではないように、不妊症もまた、男女のどちらにも原因があることが考えられます。
妊娠を妨げている何らかの原因が男性にある場合は「男性不妊」とされますが、男性不妊は不妊を引き起こす原因の約40~50%を占めると言われています。
男性不妊の場合、精液検査を行って精子の状態を確認することで、不妊症か否かの診断がなされます。
精子は酸化ストレスに弱い
私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れていますが、そのうち約2%は「活性酸素」になるとされています。
活性酸素は、体内に侵入してきたウイルスや細菌を撃退するという役割を持っている一方で、必要以上に増加した場合には、正常な細胞や遺伝子をも攻撃、つまり「酸化」させてしまうのです。
ストレスを受けると、身体はストレスを緩和させるために「副腎皮質ホルモン」を分泌しますが、このホルモンが分泌されるのと同時に、活性酸素が発生します。
また、ストレスによる緊張状態が続くと、血管が収縮し、一時的な血行不良を引き起こします。
滞っていた血液が流れ出すときにもまた、活性酸素が発生します。
活性酸素が細胞を攻撃し、細胞膜がダメージを受けると、細胞内に栄養を取り入れたり、老廃物を排出する働きに影響が及びます。
また、細胞のDNAが傷ついてしまうと、細胞自体が壊れてしまう「細胞死」の可能性もあり、これらを「酸化ストレス」と呼びます。
精子の細胞膜は主に、酸化ストレスの影響を受けやすい「不飽和脂肪酸」で覆われています。
つまり、精子が酸化ストレスを受けると、細胞内に十分な栄養を蓄えることができなくなり、精子の質が低下することが考えられます。
精子の質が低下している場合には、卵子に巡り合う以前に死滅してしまいます。
精子の運動率が低下していたり、遺伝子情報が損傷を受けていたりすることで受精には至らず、不妊となってしまうのです。
不妊治療を行うストレス
ストレスが不妊の原因になっていることはもちろん、不妊がストレスの原因となっていることも考えられます。
「不妊症」と診断を受けたことがさらなるストレスとなって、不妊の原因となっているストレスをさらに深刻なものにしてしまうというケースも、決して少なくはありません。
ストレスとは、ある程度であれば、人生におけるスパイスとも考えることができます。
しかし、抱えきれないほどのストレスは障害となり、身体に重くのしかかります。
通勤時の長時間移動や満員電車に始まり、人間関係、深夜までの残業など、ストレスフルな毎日を過ごされている方も少なくないと思います。
人工授精や体外受精といったART、「生殖補助医療」に臨む際にも、ストレスにより身体機能が低下した状態では、望む結果が得られないのではないでしょうか。
不妊治療に専念するために、ストレスや疲労の原因となるお仕事をお休みするという選択肢を選ぶ方も、決して少なくありません。
一方で、不妊治療を行うためには、お金が必要です。
お金がないから不妊治療を続行することができない、不妊治療を行わなければ妊娠することができないという切迫した状況では、非常に大きなストレスを抱えてしまうことになります。
経済的な面での安定は、すなわち精神的な安定とも考えられます。
不妊治療のステップアップを考えているからこそ仕事に精を出すという方もいらっしゃいます。
妊娠は男女のどちらか一方だけで成り立つものではありません。
不妊治療もまた、男女どちらかだけで行うものではなく、パートナーとふたりで行っていくものです。
仕事と身体の関係、ストレスの度合い、経済面のことなど、不妊治療についてパートナーの方と話し合うこともまた、不妊治療の一環と言えるでしょう。
漢方でストレスを小さくして、不妊治療に臨みましょう
病院では妊娠を妨げている明確な原因が見つけられなかったという場合にも、不妊の根本の原因として「ストレス」が存在する場合があります。
病院で行う治療は「西洋医学」です。
西洋医学が得意とするのは、病気の明確な原因となっている部分を手術によって取り除くなどといった「対症療法」です。
「西洋医学」に対して「東洋医学」は、「根本療法」を中心に治療を進めていきます。
根本の原因を身体の中から改善するため、東洋医学のひとつである「漢方」の力を取り入れてみませんか。
漢方の力でストレスによる不妊症を改善したいとお考えの方はぜひ、福神トシモリ薬局にご相談ください。
福神トシモリ薬局では、身体の不調を「治すこと」と、心の状態を「癒すこと」を目指しています。
心と身体の両方が伴ってはじめて、「治癒」ができると考えているからです。
そのため、ご相談に来られた方にリラックスしてもらえるよう、心がけています。
心に抱えた悩みを、リラックスして落ち着いた状態で、話していただけるような環境づくりに努めています。
薬局の内装には、自然素材である「岡山県産の杉」を使用しています。
店内に足を踏み入れると、素朴な木の香りに包まれて、ほっと心が安らぎます。
さらに、薬局内には「プライベートルーム」をご用意しております。
不妊症やストレスといったデリケートなお悩みも、プライベートな個室にてゆっくりとご相談いただけます。
女性の方はもちろん、男性の方も、ひとりで悩まず、ぜひ私たち薬剤師にご相談ください。
妊娠に向けた身体づくりのお手伝いをさせていただきます。
漢方の力で、元気な赤ちゃんを授かるための身体をつくっていきましょう!