妊娠しにくい体質を漢方で改善しましょう
今回は、妊娠をしにくくさせている女性の体質についてご説明いたします。
思い当たる症状があるという方は、妊娠しやすい身体を目指して、それぞれの症状の改善に取り組みましょう!
冷え性は身体にさまざまな影響を与える
冷えは血管を収縮させるため、血行不良を引き起こします。
全身のあらゆる臓器に栄養を行き渡らせているのは血液ですから、血流が悪くなると、十分な栄養を補給することができなくなります。
血行不良により卵巣への栄養供給が滞ることで、卵胞や卵子の質が低下したり、排卵障害などが起こりやすくなってしまいます。
冷え性が引き起こすのは、血行不良や栄養不足だけではありません。
人間は寒さを感じると、手足の血管を収縮させ、心臓などの臓器がある身体の中心部に血液を集中させます。
これは体温を維持するための防衛反応ですが、この反応により、身体の中心部から遠い手足などの末端は、血液が届きにくくなります。
夜、私たち人間は、睡眠に適した体温へと調節するため、眠る前には手や足から熱を放出しています。
しかし、冷え性の方はこの体温調節機能がうまく働かないために、深い眠りへ入っていくことが難しくなります。
このことで不眠症や睡眠不足を引き起こす場合があります。
不眠症や睡眠不足といった症状は自律神経を乱す原因になります。
自律神経をつかさどる器官が、ホルモンの分泌にも関係している
妊娠するためには、2つの女性ホルモンが欠かせません。
2つの女性ホルモンはそれぞれ「エストロゲン」「プロゲステロン」と呼ばれているもので、以下のような働きを持っています。
エストロゲン(卵胞ホルモン)
・卵胞を成熟させたり、女性らしい身体づくりを手助けする。
・子宮頚管粘液の分泌量を増やし、精子が通過しやすいようサポートする。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
・子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすい環境を整える。
ホルモンの分泌が不十分な状態だと、排卵が起こっても、受精や着床にうまく反応することができない可能性があります。
エストロゲン・プロゲステロンはどちらも、脳の視床下部から下垂体、卵巣へと指令が伝わることで分泌されます。
このときホルモン分泌の司令塔となっている視床下部は、同時に自律神経もつかさどっています。
そのため、自律神経とホルモンバランスは密接な関係にあり、自律神経の乱れがホルモンの分泌を不安定にします。
しかし、自律神経は自分でコントロールすることができません。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経によって構成されています。
まず、「交感神経」は主に、日中活動しているとき優位に働く神経です。
交感神経は、血液をたくさん巡らせるために血圧を上げたり、心臓の鼓動を速くするなどの働きを持っています。
「副交感神経」は、リラックスしているときや睡眠時などに優位に働く神経です。
1日の中では、夕方頃から副交感神経が活発になり始めます。
副交感神経が優位に働くことで、血管が広がり、栄養や酸素が全身に供給されます。
同時に、老廃物や疲労物質がスムーズに排出されるよう、内臓の動きも活性化されます。
そしてその働きがピークに達するのは睡眠時だと言われています。
そのため、夜遅くまでお仕事をしていたり、昼夜が逆転した生活を送っていたり、睡眠が不足している状態やストレスフルな状態が続くと、自律神経のバランスが崩れると同時に、ホルモンバランスも不安定になり、月経不順や排卵障害といった症状を引き起こしてしまうのです。
月経不順も妊娠をしにくくさせている原因です
月経不順の方の場合、排卵日の予測が難しくなるため、タイミングを合わせる方法での妊娠がしにくいと言えます。
月経不順の方が妊娠を目指す場合、まずは正しい生理周期に戻すことから始めます。
月経不順は、生活習慣やストレスを原因とする自律神経の乱れ、ホルモンバランスが崩れていることが原因となるほか、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となっている場合も考えられますので、長く放置することは得策ではありません。
もちろん、月経不順の方の場合にも、妊娠がしにくいというだけで、妊娠ができないというわけではありません。
月経不順を引き起こしている根本の原因を改善することで、妊娠しやすい身体を目指していきましょう。
西洋医学と東洋医学では視点が異なります
「冷え性」や「ストレス」といった目には見えない症状が、身体のあらゆる器官に影響を及ぼし、妊娠しにくくさせているのだとすれば、これらの症状を改善することで、妊娠しやすい状態に一歩近づくと言えますよね。
しかし西洋医学、つまり病院などの医療機関では、「冷え性」や「ストレス」は妊娠を妨げている原因とは判断されません。
西洋医学と異なる視点を持つ東洋医学は、「東洋医学的原因療法」を中心として治療を行います。
つまり、妊娠しにくくさせている「冷え性」、「ストレス」など、目には見えない根本の原因の緩和を目指します。
東洋医学の中には、漢方が含まれています。
冷え性を改善する漢方薬の一例をご紹介すると、
・附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
・真武湯(しんぶとう)
・四逆湯(しぎゃくとう)
が挙げられます。
附子理中湯(ぶしりちゅうとう)は手足の強い冷えに対して効果を発揮する漢方薬です。
また、胃腸の働きを高める配合のため、軟便・下痢を改善します。
真武湯(しんぶとう)は新陳代謝が低下していることが原因で冷えやむくみ、めまいを感じるという方に力を発揮する漢方薬です。
四逆湯(しぎゃくとう)は倦怠感があり、全身が冷えている方に用いられます。
このように、「冷え性を改善する漢方薬」と一口に言っても、それぞれの症状に適した漢方薬が存在します。
一方、自然由来とは言え漢方薬も「薬」ですから、体質などによりアレルギーなどの症状が現れる可能性も考えられます。
自分に合った漢方薬を正しく服用するためには、漢方専門の薬剤師への相談をおすすめいたします。
福神トシモリ薬局ではおひとりおひとりに合わせた漢方を選定します
福神トシモリ薬局では、おひとりおひとり異なる症状に合わせた漢方を選定しています。
漢方専門の薬剤師が綿密なカウンセリングを行うことによって、体質改善に最適な漢方を導き出します。
妊娠しにくい体質を、漢方の力で改善してみませんか?
一緒に体質改善を行って、妊娠しやすい身体を目指しましょう!