不妊検査にかかるおおよその費用を確認しておきましょう

不妊検査にかかるおおよその費用を確認しておきましょう 漢方

不妊症の検査を考えているという方もいらっしゃると思います。

不妊症かもしれないという不安にさらに、検査費用がいくらかかるんだろうという不安が重なるのは避けたいものですよね。

これから不妊検査を考えている方は、それぞれの検査にかかる費用を確認しておきましょう。

 

不妊検査でわかること

妊娠に至るまでのプロセスのどこかに問題が生じたことで、妊娠できなくなっている状態を「器質性不妊」と言います。

「器質性不妊」の場合、検査によって原因を明らかにすることが可能ですが、「不妊の原因は○○だ」と100パーセント断言することはできません。

あくまでも、「不妊の原因は○○である可能性が高い」という判断がなされます。
原因がひとつではなく、複数の要因が同時に存在している場合もあります。

しかし、いくつも考えられる不妊の原因の中から、可能性が高いものを絞っていくことで、その原因に合わせた具体的な不妊治療を進めていくことができます。

基礎体温、頸管粘液検査、フーナーテスト、子宮卵管造影検査、経腟超音波検査、精液検査、これらは6大基本検査と言われています。

まずは、これらの不妊検査にかかるおおよその費用を確認しておきましょう。

 

6大不妊検査にかかる費用

基礎体温

まず、基礎体温によって排卵が正常に行われているかどうかを判断します。

妊娠を考えるずっと以前より、基礎体温をご自身で記入されていたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

基礎体温は、ご自宅で簡単に検温することができます。

発熱時に使用する普通の体温計ではなく、小数点第2位まで表示することのできる「基礎体温計」を用意します。

こちらはドラッグストアなどでも購入することが可能で、シンプルに検温のみを行うことのできるタイプから、グラフ作成を行うことのできる本格的なタイプなど、さまざまあります。

基礎体温計のタイプごとに値段が異なりますが、およそ1,000円〜3,000円で購入が可能です。

基礎体温とは朝目覚めた直後に測る体温のことですから、目が覚めたらすぐ、舌の裏側に体温計を差し込んで、口を閉じた状態でなるべくじっとしたまま、測定終了を待ちましょう。

不妊検査はもう少しあとで、と考えている方でも、2〜3ヶ月ほど基礎体温表をつけておくことで、不妊検査をスムーズに進めることができるでしょう。

また、基礎体温表のグラフが「低温期」と「高温期」の2層を描いていなかったり、高温期が短いなど、正常な基礎体温表との相違点が見受けられた場合、早めの不妊治療に踏み切るための判断材料ともなります。

頸管粘液検査・フーナーテスト

女性の子宮へと続く子宮頸管は普段、乾燥している状態です。
これは、無菌状態の子宮を細菌から守るためで、酸性の状態が保たれています。

排卵が近づくにつれて、精子が子宮へと進んで行きやすいように、頸管粘液の分泌量が増加します。
頸管粘液検査では、排卵期に十分な量の頸管粘液が分泌されているかどうかの検査を行います。

また、フーナーテストでは、夫婦生活後に女性の頸管粘液を採取して、頚管粘液の中に精子が進入できているかを確認します。
あらかじめ予測した排卵日に合わせて夫婦生活を持ち、その後12時間以内に検査を行います。

フーナーテストでは、頸管粘液の分泌状況と同時に、男性不妊の原因が存在するかどうかということも検査することができます。
頸管粘液中に存在する精子の数が極端に少なかったり、活動が十分でないと判断された場合には、再度フーナーテストを行ったり、男性の不妊検査を行うことも考えられます。

頸管粘液検査、フーナーテストともに、かかる費用はおよそ500円〜1000円です。

保険が適用されるため、比較的安価で検査を行うことができますが、病院やクリニックによって費用は異なりますので、事前に確認しておきましょう。

子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査では膣から子宮へとカテーテルを挿入し、子宮奇形や筋腫の有無の確認、卵管の通過性などの検査を行います。

こちらの検査は、月経が終わってから排卵が起こる前の「卵胞期」の中で行われます。
カテーテル挿入時、もしくは、造影剤が卵管の狭まっている部分を通過するときなどに痛みを感じる場合もありますが、無痛で検査できるという方もいらっしゃいます。

痛みに対する不安が強い方の場合、痛み止めの使用が可能かどうかを、あらかじめ相談しておくことをおすすめいたします。

子宮卵管造影検査にかかる費用は、3,000~10,000円と、病院やクリニック、それぞれの施設で異なります。

経腟超音波検査

超音波検査では、膣から挿入した検査器具で子宮や卵巣の状態を観察するほか、卵胞の成長具合が確認できます。

排卵前に超音波検査で卵胞の大きさを測定し、尿検査などの結果と照らし合わせて、排卵日を予測します。

卵胞が成長する速度によっては、排卵前に複数回検査を行う場合もあり、また排卵後には、子宮内膜の厚さが十分であるかなどのチェックを行います。

一回の超音波検査につき、3,000円前後の費用がかかると考えておきましょう。

精液検査

男性側の不妊検査の場合、まずは精液検査が行われます。

精液検査とは、精液中の精子の状態を判断する検査です。

2~5日間の禁欲の後、採精容器に用手法にて採取していただき、精液の量や精液1ml中に存在する精子の数、精子の運動率、奇形率、正常形態率を調べます。

保険が適用される検査ですので、1回につきおよそ1,000円前後で行うことが可能です。

 

「卵巣年齢」を判断する、AMH(アンチミュラーホルモン)検査

検診に来た女性

実は女性の卵子は、生まれてくる前からその数が決まっています。
排卵が起こるたび卵巣内にある卵子は減少していき、新たに作られるということはありません。

AMH(アンチミュラーホルモン)とは、発育過程にある卵胞、つまり原始卵胞から分泌されるホルモンのことです。
このホルモンの分泌量を測定することで、卵巣内に残っている卵子の数をおおよそ判断することができます。

このAMHの値は、しばしば「卵巣年齢」とも言い換えられます。

AMHの値は血液検査にて測定されます。

こちらのAMH検査は保険の適用外となりますのでご注意ください。
AMH検査にかかる費用は5,000〜10,000円と、各病院やクリニックによって異なります。

 

AMHの値が低いからといって、妊娠できないわけではありません

AMHの値が高いほど、卵巣内に存在する卵子の数が多く、つまり卵巣年齢が若い状態だとされますが、AMH値=妊娠率ではありません。

つまり、残っている卵子が多くても、卵巣年齢が若くても、卵の質が低下している場合にはなかなか妊娠まで至らない、ということが考えられます。

また、AMH検査の結果は、あくまでも卵子の数の「予測」に過ぎず、実際の卵子の数を表しているわけではありません。

そのため、AMH値が「0.1未満」だった場合にも妊娠の可能性はあります。

 

検査にかかる費用は事前に確認しておきましょう

メモをする女性検査費用はそれぞれの病院やクリニックで異なり、さらには検査ごとに保険適用の可否が異なるため、注意が必要です。

また、検査の内容によっては検査入院となる場合もあり、多額の費用が必要になることも考えられます。

不妊症の検査をお考えの方はぜひ、受診を考えている施設での費用を事前に確認し、具体的な費用を把握しておきましょう。

 

 

 

歳森 和明 / 薬剤師 - 国際中医専門員A級

薬剤師、国際中医師、笑顔セミナー認定講師。漢方薬局三代目。おだやかで大人しく見られがちですが、サーフィン、ダイビング、トライアスロンなど身体を動かすことや、食べ歩き・旅行が大好きなアクティブ人間です。SNS(Twitter、Facebook)で漢方や健康情報、勉強会情報を随時発信しています。