幸せホルモン・オキシトシンで健康はつくられる。利他と感謝の思いがイキイキと生きる鍵 総合医療クリニック徳 院長 高橋 徳

幸せホルモン・オキシトシンで健康はつくられる。利他と感謝の思いがイキイキと生きる鍵 総合医療クリニック徳 院長 高橋 徳 健康

―幸せホルモンが自律神経を整えるー

「オキシトシン」という名前を聞いたことがありますか?オキシトシンとは脳内ホルモンの一種で、誰かを愛したり、人に優しくしたりした時、間脳の視床下部から分泌されるホルモンです。心を幸せな気持ちで満たしてくれ、一般に「幸せホルモン」「愛のホルモン」と呼ばれることもあります。また、オキシトシンは体の健康にも効果を発揮してくれます。例えば、高血圧や認知症を予防したり、体の痛みを抑えたりといった具合です。人はストレスを感じた時、なぜ胃が痛んだり、下痢になったりするのか。ストレスが自律神経、特に交感神経に異常を起こすことがわかる。そして、同じストレスを受けても胃腸に影響が出る人と出ない人に分かれたことでした。この違いを調べるうち、オキシトシンにたどり着いたのです。オキシトシンには自律神経を抑え、副交感神経を優位にする働きがあると判明。それでは、どうすればオキシトシンを分泌できるのでしょうか。

 

―オキシトシンを出すたった二つのポイントー

オキシトシンの分泌を促すために、意識するポイントは2つだけです。1つは、あなたの「五感」に心地よいと感じる刺激を与えること。もう1つは人と交流することです。まず、五感とは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五つを指します。美しい景色や好きな映画、音楽を視聴する。いい香りを嗅いだり、おいしいものを食べたりしてもよし。子供やパートナーとのスキンシップも効果的です。日頃から五感に心地よい刺激を与えることは、とても大事だと言えます。また、コロナ禍のいまは、はばかられますが、特におすすめしてきたのは、レストランや居酒屋で楽しく食事することです。おいしいものを食べることだけが理由ではありません。人と交流することでもオキシトシンは分泌されるからです。食事の場でなくともOKです。自分がいま抱えている不安や悩み、愚痴などを聞いてもらう。あるいは逆に人の話を聞いてあげる。このように人に優しくされたり、または優しくしたりすることによって、オキシトシンが分泌されることが分かっています。飲みに行ってストレスを発散できるといわれるのはこういう仕組です。「病は気から」と言うように、感謝の気持ちを持つことも、オキシトシンが分泌され、ストレスをさほど負荷に感じなくなり、体も健康になっていきます。

 

―入浴+ツボ押しー

寒い冬におすすめしたいのが、入浴+ツボ押しです。熱過ぎずぬるすぎず心地よいと感じる温度の湯船に浸かり、このツボを押してみましょう。1つは左右の手の甲にある「合谷」です。心地のよいと感じる強さで、両方の手で行ってください。もう1つは足の「三里」この二つのツボは共に自律神経を整えてくれ、痛みにも効くツボです。のんびり入浴しながら、オキシトシンを高めていきましょう!

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