妊活とは?具体的に何をするか男女別に解説|不妊治療との違いも

妊活とは?具体的に何をするか男女別に解説|不妊治療との違いも 妊活・不妊

妊活という言葉を耳にする機会は増えましたが、具体的に何をするのか、男女で取り組むべきことに違いはあるのか、疑問に思う方もいるでしょう。
妊活とは何か、その定義から、男と女それぞれが具体的に何をするべきかをわかりやすく解説します。
妊娠に向けた準備は、心と体の両面からアプローチすることが重要であり、東洋医学の知恵も役立ちます。

妊活とは?妊娠に向けた準備活動の総称

妊活とは、将来的に赤ちゃんを授かるために行う活動全般を指す言葉です。
妊活の定義は広く、基礎知識として知られる排卵日に合わせた性交渉だけではありません。
妊娠しやすい体づくりのための食生活の見直しや運動、生活習慣の改善、さらには夫婦で将来のライフプランを話し合うことも、はじめて妊活を始める上での大切な一歩です。

東洋医学では、心と体は一体と捉え、精神的な安定も妊娠しやすい体づくりに不可欠と考えます。

妊活と不妊治療の大きな違いは「病気の診断の有無」

妊活と不妊治療のわかりやすい違いは、医師による「不妊症」という診断があるかどうかです。
妊活は、病気の有無にかかわらず、妊娠を希望する人が主体的に行う健康管理や情報収集、タイミング法などを指します。

一方、不妊治療は、一定期間妊娠に至らない場合に、医療機関で原因を検査し、排卵誘発、人工授精、体外受精といった医学的介入を行うことです。
妊活は不妊治療の土台となる体づくりの期間でもあり、治療と並行して続けることが大切です。

妊活を始める前に夫婦で話し合っておきたい3つのこと

妊活は、夫婦二人が同じ目標に向かって協力し合う共同作業です。
結婚し、子どもを授かることを考え始めたら、まずはパートナーとしっかり向き合い、これからのことについて話し合う時間を持つことが不可欠です。
妊活をスムーズに進め、精神的な負担を軽減するためにも、お互いの気持ちや考えを事前に共有しておく必要があります。

特に、これから紹介する3つのテーマについては、妊活を始める前に確認しておくことをおすすめします。

いつまでに子どもが欲しいかライフプランを共有する

夫婦それぞれの年齢や仕事のキャリアプランを踏まえ、いつまでに子どもが欲しいか、具体的な時期について話し合いましょう。
例えば「3年後までには第一子が欲しい」「7年後には家族旅行を楽しみたい」など、希望を共有することで、妊活のスケジュールが見えてきます。
出産から逆算して、いつ頃までに妊娠を目指すかという目標が明確になれば、日々の生活習慣の見直しや、必要であれば医療機関を受診するタイミングも判断しやすくなります。

妊活や不妊治療にかけられる費用を確認する

妊活や不妊治療には、段階に応じて費用がかかります。
タイミング法やサプリメントの購入といった自己管理の段階から、検査や治療へとステップアップするにつれて、必要な費用は増加します。

特に、体外受精などの高度生殖医療は、保険が適用されても高額になる場合があります。
家計の中からどれくらいの金額を妊活に充てられるのか、平均的な費用を参考にしながら事前に話し合っておくことで、いざという時に慌てず、安心して治療の選択ができます。

どちらかに原因があった場合の考え方をすり合わせる

不妊の原因は、女性側だけでなく男性側、あるいは両方にある場合や、原因が特定できないケースも少なくありません。
もし検査でどちらかに原因が見つかった場合、相手を責めたり、一人で抱え込んだりしないよう、事前に考え方をすり合わせておくことが大切です。
原因がどちらかにあったとしても、それは二人の課題です。

どんな結果でも一緒に乗り越えていくという姿勢をもつことが、精神的な支えになります。
専門家からのアドバイスも参考にしながら、協力体制を築きましょう。

【女性編】妊娠しやすい体を作るためにできること

女性側の妊活の基本は、質の良い卵子を育て、ふかふかのベッドのような子宮環境を整えることです。
卵胞が育ち、排卵が起こり、子宮内膜が厚くなるという一連の流れは、女性ホルモンの精密な変化によってコントロールされています。
東洋医学では、特に生命エネルギーの源である「腎」と、栄養を全身に運ぶ「血」が、生殖機能に深く関わると考えます。

これらのバランスを整え、妊娠しやすい母体を作ることが、妊活の第一歩となります。

基礎体温を測り体のリズムを把握する

妊活をスタートするなら、まずは基礎体温の計測から始めましょう。
毎朝、目が覚めたら起き上がる前に婦人体温計で体温を測り、記録します。
基礎体温のグラフを見ることで、低温期と高温期の二相に分かれているか、排卵がきちんと起こっているか、黄体ホルモンが十分に出ているかなど、自身の体のリズムやホルモンバランスの状態を把握する手がかりになります。

この記録は、婦人科を受診した際に、医師が体の状態を判断するための重要な情報にもなります。

排卵検査薬を活用してタイミングを予測する

妊娠の可能性が最も高まるのは、排卵日の2日前から排卵日にかけての期間です。
基礎体温だけでは排卵日を正確に特定するのが難しい場合があるため、排卵検査薬を併用することをおすすめします。
排卵検査薬は、排卵直前に分泌量が急増する「黄体形成ホルモン(LH)」の尿中の濃度を検知し、陽性反応で排卵が近いことを知らせてくれます。

この陽性反応が出た日とその翌日が、最も妊娠しやすいタイミングの目安です。

妊娠前から葉酸サプリを摂取する

葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄の元となる神経管の正常な発育に不可欠な栄養素です。
神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するため、厚生労働省は妊娠を計画している女性に対し、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間、通常の食事に加えてサプリメントで1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。
葉酸は食事からも摂取できますが、熱に弱く吸収率も低いため、正しい知識のもと、サプリメントで効率的に補うことが重要です。

バランスの取れた食事で栄養を補う

私たちの体は、日々の食事から作られています。
妊娠しやすい体づくりにおいても、バランスの取れた食事は基本中の基本です。
特定の食品だけを食べるのではなく、主食・主菜・副菜をそろえ、多様な食材から栄養を摂ることを心がけましょう。

東洋医学の観点では、体を温める性質を持つ根菜類や、生命力を補うとされる黒ゴマ・黒豆などの黒い食材、血を補うほうれん草やレバーなどを意識的に摂ることも有効です。

体を冷やさない温活を習慣にする

東洋医学では「冷えは万病のもと」と言われ、妊活においても大敵です。
体が冷えると、骨盤内の血流が悪化し、子宮や卵巣の機能が低下しやすくなります。
質の良い卵子を育て、受精卵が着床しやすい子宮環境を整えるためにも、体を温める「温活」を習慣にしましょう。

シャワーだけでなくゆっくり湯船に浸かる、冷たい飲み物を避けて常温や温かいものを飲む、腹巻やレッグウォーマーを活用するなど、日常生活の中でできることから始めてみてください。

適度な運動で血行を促進し体重を管理する

ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの適度な運動は、全身の血行を促進し、子宮や卵巣への血流を増やす効果が期待できます。
血行が良くなることで、妊娠に必要なホルモンや栄養が隅々まで行き渡りやすくなります。
また、ストレス解消や睡眠の質の向上にもつながります。

ただし、激しすぎる運動はかえって体に負担をかけ、排卵障害の原因になることもあるためNGです。
心地よいと感じる範囲で、継続的に行うことが大切です。

【男性編】パートナーと一緒に取り組みたい妊活

不妊の原因の約半数は、男性側にもあるといわれています。
そのため、妊活は女性だけが取り組むものではなく、パートナーである男性の協力が不可欠です。
精子は日々の生活習慣の影響を受けやすく、作られるまでに約3ヶ月かかります。

今日から生活を見直すことで、精子の質を改善し、妊娠の可能性を高めることができます。
まずは自分の体と向き合い、できることから始めてみましょう。

精子の質を高めるため禁煙や節酒を心がける

喫煙は、精子の数を減少させ、運動率を低下させ、奇形率を増加させることが多くの研究で報告されています。
タバコに含まれる有害物質が体内で活性酸素を増やし、精子を作る細胞を傷つけてしまうのが、その主な理由です。
なぜ避妊をしていないのに妊娠しないのかと考えたとき、生活習慣が影響している可能性は十分にあります。

過度な飲酒も同様に精子の質に悪影響を与えるため、妊活中は禁煙を基本とし、お酒は適量に控えましょう。

長時間のサウナなど精巣を温めすぎないように注意する

精子を作る精巣は熱に非常に弱い性質を持っています。
そのため、体温より2〜3℃低い温度に保たれるよう、体の外にぶら下がっています。
長時間のサウナや熱いお風呂、膝の上でのノートパソコンの長時間使用、体にぴったりフィットする下着の着用などは、精巣の温度を上昇させ、精子を作る機能を低下させる原因になります。

日常生活の中で、精巣を温めすぎないように意識することが、精子の質を保つ上で重要です。

亜鉛やビタミンなど精子の形成に必要な栄養素を摂る

精子が作られる過程では、様々な栄養素が必要です。
特に、精子の形成に不可欠なミネラルである亜鉛や、抗酸化作用が高く精子を酸化ストレスから守るビタミンC・Eなどを積極的に摂取しましょう。

亜鉛は牡蠣や牛肉、レバーに、ビタミンEはナッツ類やかぼちゃに多く含まれます。
バランスの良い食事を基本としながら、必要に応じてサプリメントで栄養を補うことも有効な手段です。

まずは精液検査で自分の状態を知る

妊活を始めるにあたり、まずは自身の精子の状態を把握することが重要です。
精液検査では、精液の量、精子の濃度、運動率、正常形態率などを調べ、精子に問題がないかを確認します。
この検査は、婦人科や泌尿器科で受けることができます。

最初に男性側の検査をすることで、問題があった場合に早くから対策を立てることができ、女性側の心身の負担を軽減することにもつながります。
ためらわずに、まずは検査を受けてみましょう。

妊活で病院やクリニックを受診するタイミングの目安

セルフケアによる妊活を続けていてもなかなか結果が出ない場合、専門家である医師の力を借りることも大切です。
どのタイミングで病院や産婦人科を受診すればよいのか、その目安を知っておくことで、適切な時期に次のステップへ進むことができます。
不妊の原因を特定し、治療が必要かどうかを判断するためにも、不安があれば早めに相談することを検討しましょう。

1年間タイミングを試しても授からない場合

避妊をせずに定期的な性交渉を持っているにもかかわらず、1年間妊娠しない状態を「不妊症」と定義しています。
そのため、ご自身でタイミング法などを1年間試しても妊娠に至らない場合は、一度、産婦人科や不妊治療専門のクリニックを受診する目安となります。
検査を受けることで、排卵障害や卵管の詰まり、子宮の問題など、自分たちでは気づけなかった原因が見つかることもあります。

すぐに行動を起こすことが、妊娠への近道になるかもしれません。

妻の年齢が35歳以上なら半年が目安

女性の妊娠する力は30代半ばから緩やかに低下し始め、35歳を過ぎるとそのスピードが加速する傾向にあります。
これは、年齢とともに卵子の数が減少し、質も低下するためです。
そのため、妻の年齢が35歳以上の場合は、1年を待たずに、半年間タイミングを試しても授からなければ専門医に相談することが推奨されます。

友人などの話に惑わされず、ご自身の状況に合わせて早めに専門家の診察を受けることが重要です。

生理不順や婦人科系の病気が心配なとき

月経周期が極端に長かったり短かったりするなどの生理不順がある場合や、過去に子宮内膜症、子宮筋腫、性感染症などの婦人科系の病気にかかったことがある場合は、妊娠の妨げになる要因を抱えている可能性があります。
このようなケースでは、妊活の期間にかかわらず、子どもが欲しいと思ったタイミングで一度婦人科を受診し、現在の体の状態をチェックしてもらうと安心です。
心配事を抱えたまま妊活を続けることは、精神的なうつ状態につながることもあります。

妊活に関するよくある質問

妊活を始めるにあたって、多くの方が抱く疑問や不安があります。
ここでは、特によく寄せられる質問について、簡潔にお答えします。

妊活はいつから始めるのがベストですか?

結論として、「子どもが欲しい」と考えたときが最適なタイミングです。
妊娠・出産には年齢が大きく関わるため、将来的に子どもを望むなら早めに生活習慣を見直したり、検査を受けたりするほうが選択肢は広がります。
ご自身のライフプランに合わせて、パートナーと話し合って始めることをおすすめします。

妊活にかかる費用はどれくらいですか?

費用は妊活の段階で大きく異なります。
基礎体温計などの自己管理なら数千円から、不妊治療へ進むと保険適用でも数万円から数十万円以上かかることもあります。
まずは、お住まいの自治体で利用できる助成金制度などをウェブサイトや窓口で確認してみましょう。

仕事と妊活を両立させるコツはありますか?

仕事帰りに通いやすいなど、通院の負担が少ないクリニックを選び、仕事のスケジュールをパートナーと共有することが大切です。
疲れを溜めないよう、意識的に休息を取り、早く寝る日を作りましょう。
無理のない範囲で妊活のルールを決め、心身の負担を減らす工夫が必要です。

まとめ

妊活とは、妊娠に向けた体と心の準備活動全般を指し、その方法は多岐にわたります。
まずは夫婦でよく話し合い、生活習慣を見直すことから始めるのが基本です。
そして、セルフケアでなかなか結果が出ない場合は、適切なタイミングで専門家の力を借りることも重要です。

東洋医学では、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドのケアを重視します。
自分たちの体に残された可能性を信じ、できることから一歩ずつ取り組んでいきましょう。

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