喉の痛みに使う漢方薬の選び方|クラシエなど市販薬も紹介| 不妊・妊活の漢方薬局(岡山) | 福神トシモリ薬局(オンライン相談可)

喉の痛みに使う漢方薬の選び方|クラシエなど市販薬も紹介| 不妊・妊活の漢方薬局(岡山) | 福神トシモリ薬局(オンライン相談可) 漢方

喉の痛みの原因は様々ですが、症状に合った漢方薬を選ぶことで緩和が期待できます。
漢方薬は、体の内側からバランスを整え、根本的な原因に働きかけるのが特徴です。

この記事では、喉の痛みの症状別に適した漢方薬の選び方を解説します。
クラシエなどから販売されている市販薬も紹介するため、どの漢方薬を選べばよいか迷っている方は参考にしてください。

喉の痛みに漢方薬が選ばれる理由とは?

喉の痛みに漢方薬が用いられるのは、単に痛みを抑えるだけでなく、痛みを引き起こしている体質や状態そのものにアプローチするためです。
西洋薬が特定の症状をピンポイントで抑えるのに対し、漢方薬は体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目指します。

例えば、風邪による喉の痛みでも、体を温めるべきか、熱を冷ますべきか、その人の状態によって処方が異なります。
このように、一人ひとりの体質や症状の根本原因を見極めて対処するのが漢方医学の考え方です。

最初にチェック!あなたの喉の痛みはどのタイプ?

漢方薬を選ぶ上で最も重要なのは、自分の症状を正しく把握することです。
漢方では「証」という独自の考え方で体質や症状を判断し、それに合った薬を選びます。

喉の痛みの原因が、体の熱によるものか、それとも冷えによるものかを見極める必要があります。
例えば、赤く腫れて熱感がある場合は炎症が強い状態で、逆にゾクゾクと寒気がする場合は体の抵抗力が落ちている状態と考えられます。
自分の喉の痛みがどのタイプに当てはまるかを確認することが、適切な漢方薬選びの第一歩です。

赤く腫れてズキズキ痛む症状

喉が赤く腫れ上がり、ズキズキとした強い痛みや熱感を伴う場合、体内に過剰な熱がこもっている状態と考えられます。
これは漢方でいう「実熱」の症状で、炎症が強く起きているサインです。
具体的には、扁桃腺が腫れて食べ物や唾を飲み込むのもつらい、声がかすれる、発熱や頭痛を伴うといったケースが該当します。

このような症状には、体内の余分な熱を冷まし、炎症を鎮める作用を持つ漢方薬が適しています。
体力がある人に見られやすい傾向があり、まずは体内にこもった熱を取り除くことが改善への近道となります。

風邪のひき始めでイガイガする症状

風邪のひき始めで、喉にイガイガとした違和感があり、ゾクゾクする寒気や頭痛を伴う場合は、体の冷えが原因である可能性が高いです。
これは、外部から「寒邪」が侵入し、体の抵抗力が低下している状態を示します。
特徴としては、赤みや腫れはそれほどでもなく、透明でサラサラした鼻水が出ることが挙げられます。

このような症状には、体を内側から温めて発汗を促し、体表にある邪気を追い出す作用を持つ漢方薬が有効です。
体を温めることで免疫機能の働きを助け、風邪の本格化を防ぎます。

咳や痰がからむ長引く痛み

風邪が長引いて喉の痛みが続き、咳や痰が絡む場合は、喉の粘膜が乾燥して潤いが不足している状態が考えられます。
特に、空咳がコンコンと続いたり、粘り気の強い切れにくい痰が出たりするのは、喉の潤い不足のサインです。
声がかすれる、喉が乾燥してイガイガするといった症状も見られます。

このような状態には、体に潤いを与えて粘膜を保護し、咳や痰を鎮める作用を持つ漢方薬が適しています。
代表的な処方として、気道に潤いを与えて咳を鎮める効果が期待できる麦門冬湯などがあります。

【症状別】喉の痛みに効果が期待できる市販漢方薬4選

喉の痛みといっても、症状は様々です。
赤く腫れて痛むのか、イガイガするのか、咳を伴うのかによって、適した漢方薬は異なります。

ここでは、ドラッグストアなどで購入できる市販薬の中から、代表的な症状別におすすめの漢方薬を4つ紹介します。
自分の症状と照らし合わせながら、最適な漢方薬を選ぶための参考にしてください。

扁桃炎のように腫れがひどい痛みには「桔梗湯(ききょうとう)」

桔梗湯(ききょうとう)は、キキョウとカンゾウという2種類の生薬から構成される漢方薬です。
特に、扁桃炎や扁桃周囲炎のように喉が赤く腫れて、激しい痛みを伴う場合に適しています。
キキョウには炎症を抑え、膿を排出する作用があり、カンゾウには強い消炎・鎮痛作用があります。
この2つの生薬の組み合わせにより、喉の腫れと痛みを和らげる効果が期待できます。

お湯に溶かしてうがいをするように服用すると、薬剤が直接患部に触れるため、より即効性が高まるとされています。

風邪の初期症状による喉の痛みや渇きには「銀翹散(ぎんぎょうさん)」

銀翹散は、中国の漢方処方で、特に風邪のひき始めに見られる症状に適しています。
喉の痛みに加えて、発熱、頭痛、口の渇き、咳といった症状がある場合に用いられます。
この漢方薬は、体内に侵入した「熱邪」を取り除き、炎症を鎮める作用を持つ生薬が多く含まれています。

そのため、ゾクゾクする寒気よりも、体に熱っぽさを感じるタイプの風邪の初期症状に効果的です。
喉が乾燥してヒリヒリと痛むような場合に選ぶと良いでしょう。

喉の痛みに加えて咳も出るときは「小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)」

小柴胡湯加桔梗石膏は、風邪が少し進行し、炎症が長引いている状態に用いられる漢方薬です。
喉の腫れや痛みが続き、咳や黄色い粘り気のある痰が出るような場合に適しています。

この処方は、炎症を鎮める柴胡、熱を冷ます石膏、喉の腫れを引かせる桔梗などが配合されており、喉の炎症と呼吸器の症状を同時に和らげる働きをします。
体力が中等度で、風邪がこじれてしまったと感じる時に有効です。

とにかく今すぐ激しい痛みを抑えたいなら「甘草湯(かんぞうとう)」

甘草湯(かんぞうとう)は、その名の通り「甘草(カンゾウ)」という生薬のみで構成された、非常にシンプルな漢方薬です。
カンゾウにはグリチルリチン酸という成分が含まれており、強い抗炎症作用と鎮痛作用、粘膜保護作用があります。
そのため、喉の粘膜の炎症が激しく、飲み込むのもつらいほどの強い痛みや、治りにくい口内炎に対して優れた効果を発揮します。

即効性が期待できるため、緊急で痛みを和らげたい場合に適しています。
他の漢方薬と組み合わせて用いられることもあります。

喉の痛みに漢方薬を使う際に知っておきたい注意点

漢方薬は自然由来の生薬から作られていますが、医薬品であるため、使用にはいくつかの注意点が存在します。
例えば、体を温める目的で使われる葛根湯や麻黄湯など、一部の漢方薬には発汗を促す作用があるため、体力が落ちている時に使うと消耗を招く可能性があります。

効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい服用タイミングや、症状が改善しない場合の対処法、副作用の可能性について理解しておくことが重要です。

漢方薬を飲む効果的なタイミング

漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、服用するタイミングが重要です。
一般的に、漢方薬は胃に食べ物が入っていない空腹時に服用することが推奨されています。
具体的には、食事の30分~1時間前、または食事と食事の間である食後2時間後が目安です。
これは、空腹時の方が生薬の有効成分が体に吸収されやすいためです。

また、お湯に溶かして温かくして飲むと、体が温まり吸収が良くなるだけでなく、漢方薬特有の香りによるアロマテラピーのような効果も期待できます。
即効性を求める場合も、この服用方法が効果的とされています。

数日服用しても症状が軽くならない場合の対処法

市販薬を2〜3日服用しても喉の痛みが改善しない、あるいは悪化する場合には、漢方薬が自分の体質や症状(証)に合っていない可能性があります。
漢方薬は「証」が合って初めて効果を発揮するため、自己判断で同じ薬を長期間飲み続けることは避けるべきです。
症状が改善しない場合は、ただちに服用を中止し、医師、薬剤師、または登録販売者に相談してください。

特に、喉の痛みが激しい場合や高熱を伴う場合は、細菌感染など他の病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診することが求められます。

副作用の可能性があることを理解しておく

漢方薬は天然の生薬を原料としているため、副作用がないと思われがちですが、医薬品である以上、副作用のリスクは存在します。
例えば、甘草を多く含む漢方薬を長期にわたって服用すると、偽アルドステロン症という副作用が現れることがあります。

その他にも、食欲不振や胃の不快感、発疹やかゆみといった症状が出る可能性も否定できません。
製品パッケージや添付文書には、副作用に関する記載があるので必ず確認し、服用後に少しでも異常を感じた場合は、すぐに服用を中止して専門家に相談してください。

まとめ

喉の痛みに漢方薬を使用する際は、まず自分の症状がどのタイプに当てはまるかを見極めることが重要です。
赤く腫れて熱感があるのか、風邪のひき始めで寒気がするのか、咳や痰が絡むのかによって、選ぶべき漢方薬は異なります。
市販薬も多数ありますが、自分の症状に合ったものを選び、正しいタイミングで服用することで効果が期待できます。

もし数日間服用しても症状が改善しない場合や、副作用が疑われる場合は、自己判断で続けずに医師や薬剤師に相談することが必要です。
適切な漢方薬を選び、つらい喉の痛みを和らげてください。

toshimori