シミ対策にオススメの漢方薬とは?体質から改善する方法と種類を解説| 不妊・妊活の漢方薬局(岡山) | 福神トシモリ薬局(オンライン相談可)
漢方
気になる顔のしみは、化粧品による外側からのケアだけではなかなか改善が難しい場合があります。そのような悩みに、体の内側からアプローチするのが漢方薬です。漢方では、シミを肌表面の問題だけでなく、体全体のバランスの乱れが原因と考えます。この記事では、シミ対策にオススメの漢方薬がどのような仕組みで働くのか、自分の体質に合った漢方の選び方、そして具体的な対策と種類について解説します。体質から見直す、新しいしみ対策を始めませんか。
漢方がシミにアプローチする仕組みとは?
漢方薬は、シミの原因となる体内の不調に働きかけることで、根本的な改善を目指します。西洋医学がシミに直接アプローチするのに対し、漢方では血の巡りやホルモンバランス、新陳代謝といった体全体の機能を整えることを重視します。これにより、肌のターンオーバーが正常化し、メラニンが排出されやすい健康な肌の状態へと導きます。そのため、漢方の効果はシミの改善だけでなく、肌全体の調子を整えることにも繋がります。
東洋医学で考えるシミの根本原因は「血(けつ)」の滞り
東洋医学において、シミは「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスが崩れることで生じると考えられています。特に大きく関係するのが「血」の滞り、すなわち「瘀血(おけつ)」という状態です。血行が悪くなると、肌の細胞に十分な栄養や酸素が届けられなくなり、同時に老廃物の排出も滞ってしまいます。この結果、新陳代謝が低下し、生成されたメラニンがうまく排出されずに皮膚に沈着してシミとなるのです。顔色が悪く見えたり、肌のくすみを感じたりするのも、この瘀血が原因の一つとされています。
体質を整え肌のターンオーバーを正常化させる
漢方によるシミの改善方法は、シミそのものを消すというより、シミができやすい体質を改善することに主眼を置いています。血行を促進し、滞った「気」や「血」の流れをスムーズにすることで、体全体のバランスを整えます。これにより、肌の新陳代謝であるターンオーバーのサイクルが正常化し、メラニン色素が古い角質とともに自然に排出されやすくなります。ターンオーバーが整うことで、今あるシミの改善が期待できるだけでなく、これからできるシミを予防する効果も見込めるのです。
あなたはどのタイプ?シミができやすい体質をセルフチェック
漢方では、同じシミの悩みでも、その人の体質によって適した漢方薬が異なります。自分の体がどのような状態にあるのかを知ることが、効果的な漢方薬選びの第一歩です。シミができやすいとされる体質には、主に血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」や、ストレスなどで気の巡りが滞る「気滞(きたい)」などがあります。顔色や肌荒れの傾向、月経の状態、日頃感じる不調などから、自分のタイプをチェックしてみましょう。
血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」タイプの特徴
瘀血タイプの人は、血行不良により体に様々なサインが現れます。シミの色が比較的濃く、輪郭がはっきりしている傾向があります。顔色全体がどす黒く、唇や歯茎の色も暗くなりがちです。目の下に青黒いクマができやすく、慢性的な肩こりや頭痛に悩まされることも少なくありません。また、月経痛が重かったり、経血にレバー状の塊が混じったりするのも特徴です。あざができやすく、治りにくいといった点も、血の巡りが滞っているサインと考えられます。
ストレスやホルモンバランスが乱れがちな「気滞(きたい)」タイプの特徴
気滞タイプは、精神的なストレスや感情の抑圧によって「気」の流れが滞っている状態です。そのため、イライラしやすかったり、気分の落ち込みが激しかったりといった精神的な不調を感じやすい傾向にあります。体に現れる症状としては、胸や脇、お腹が張るような痛みを感じることがあります。特に女性ホルモンのバランスと密接に関係しており、更年期に見られる肝斑(かんぱん)はこのタイプに多いとされます。また、ストレスからニキビなどの肌荒れを併発することもあります。
【悩み別】シミ・肝斑の改善が期待できる代表的な漢方薬
シミや肝斑、そばかすといった肌の悩みに効く漢方薬は、いくつか代表的なものがあります。重要なのは、シミの種類や併発している症状、そして個々の体質に合わせて適切な漢方薬を選ぶことです。ここでは、特にシミの改善を目的として頻繁に用いられる3種類の漢方薬を、それぞれの特徴やどのようなタイプの人に適しているかとあわせて紹介します。自分に合った漢方薬を見つけるための参考にしてください。
血行を促進してシミやくすみに働きかける「桂枝茯苓丸加薏苡仁」
「桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」は、血の巡りを改善する「桂枝茯苓丸」に、肌のターンオーバーを促進する生薬「薏苡仁(ヨクイニン)」を加えた漢方薬です。主に血行不良が原因の「瘀血」タイプのシミに用いられます。血の滞りを解消することで、シミやくすみに内側から働きかけます。比較的体力があり、のぼせや足冷えを感じる人に適しています。また、ヨクイニンはイボの治療にも使われることで知られており、肌荒れやニキビの改善も期待できます。
イライラやホルモンバランスの乱れによる肝斑には「加味逍遙散」
「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、気の巡りを整え、精神的なストレスを和らげることでホルモンバランスの乱れを改善する漢方薬です。ストレスやイライラが原因で悪化する肝斑など、「気滞」タイプの人によく選ばれています。血行を促進する作用もあり、肌に栄養を届け、乾燥による小ジワといった悩みにもアプローチします。疲れやすく、肩こり、冷え、不眠といった多様な不調を抱えている虚弱体質な女性に特に適している漢方薬です。
冷え性で顔色が悪く見える方のシミには「当帰芍薬散」
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、体を温めながら血を補い、その巡りを良くする漢方薬です。体力がなく、貧血気味で冷え性の「血虚(けっきょ)」タイプに見られるシミに適しています。血行を促進することで、顔色の悪さや目元のクマを改善し、肌に栄養を行き渡らせます。その結果、肌全体のトーンが明るくなる美白効果も期待されます。むくみや月経不順、めまい、立ちくらみなど、女性特有の様々な不調にも用いられる代表的な漢方薬の一つです。
漢方薬はどこで手に入れる?市販薬と医療用医薬品の違い
シミ対策のために漢方薬を試したいと考えた場合、いくつかの入手方法があります。手軽に購入できるのは薬局やドラッグストアなどで販売されている市販薬ですが、医師の診察を受けて処方される医療用医薬品という選択肢も存在します。ツムラやクラシエといったメーカーは、両方のタイプの漢方薬を製造・販売しています。それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルや症状の程度に合わせて選ぶことが重要です。
薬局やドラッグストアで購入できる市販の漢方薬
市販の漢方薬は、薬局やドラッグストアで処方箋なしに購入できるため、漢方を試してみたいと考える人にとって最も手軽な選択肢です。製品のパッケージには、適した症状や体質が記載されており、それを参考に自分で選ぶことができます。購入の際は、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。
医師が処方する医療用の漢方薬
医療用の漢方薬は、皮膚科や漢方外来、婦人科などの医療機関で医師の診察を受けた上で処方されます。専門家がその人の体質や症状を総合的に判断して最適な処方を選ぶため、より自分の状態に合った漢方薬を選ぶことが可能です。また、健康保険が適用されるため、経済的な負担が少なく済む場合が多いのも利点です。シミ以外の体の不調も併せて相談したい場合に適しています。
漢方薬の相談は皮膚科や漢方専門の薬局へ
自分に合った漢方薬がわからない場合や、より効果的な治療を望む場合は、専門家に相談するのが最善です。シミが主たる悩みであれば、まずは皮膚科を受診し、西洋医学的な治療と漢方薬の処方を併せて相談するのが良いでしょう。また、漢方薬を専門に扱う薬局や、漢方外来を設置しているクリニックでは、より詳細な問診や舌診などを通じて体質を判断し、きめ細やかなオーダーメイド的な漢方薬を選んでもらえます。自分の症状やライフスタイルに合った相談先を見つけることが大切です。
漢方でシミ対策を始める前に知っておきたい注意点
漢方薬は自然由来の生薬から作られていますが、医薬品であることに変わりはありません。体質改善を通じてシミにアプローチするため、その特性を正しく理解して取り入れることが重要です。効果の現れ方や服用期間、副作用の可能性など、漢方薬でのシミ対策を始める前に、いくつか知っておくべき注意点があります。これらを理解しておくことで、安心して治療を続けることができます。
漢方薬はシミを直接消すものではない
漢方薬は、肌の漂白剤のようにシミの色素を直接消す作用を持つものではありません。漢方の役割は、血行を促進したり、ホルモンバランスを整えたりすることで、体質を根本から改善することにあります。その結果として、肌のターンオーバーが正常化し、メラニンが排出されやすくなることで、シミが徐々に薄くなることを目指します。したがって、レーザー治療のような即効性を期待するのではなく、時間をかけてシミができにくい健康な肌を育むための体質改善と捉える必要があります。
効果を実感するには継続的な服用が必要
漢方薬は、体質をゆっくりと変えていくことで効果を発揮するため、即効性は期待できません。効果を実感するまでには、一般的に少なくとも1ヶ月から3ヶ月程度の継続的な服用が必要とされます。肌のターンオーバーのサイクルも考慮すると、焦らずじっくりと取り組むことが大切です。すぐに変化が見られないからといって服用をやめてしまうのではなく、決められた用法・用量を守り、根気強く続けることが、シミを薄くする結果につながります。
まとめ
シミの対策として漢方薬を用いることは、美容だけでなく健康的な体づくりにも繋がるアプローチです。東洋医学では、シミを血の巡りの悪さやホルモンバランスの乱れといった体内の不調のサインと捉えます。そのため、桂枝茯苓丸加薏苡仁や加味逍遙散などの漢方薬で体質を整え、肌のターンオーバーを正常化させることを目指します。市販薬も手軽ですが、皮膚科や漢方薬局で専門家のアドバイスを受けることで、より自分に合った漢方薬が見つかります。効果を実感するには継続が必要なため、焦らず自分の体と向き合いながら取り組むことが重要です。
