[9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方]金津里佳著

[9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方]金津里佳著

最近感じていることは、たんぱく質の摂取不足の方が多いということです。

たんぱく質は生命にとって一番重要な栄養素です。

皮膚、骨、髪、爪、歯・・・私たちの体はこのたんぱく質からできています。

血液、筋肉、内臓、ホルモンの材料もたんぱく質です。

この本の内容を少し紹介させていただきます。

―「食べているつもり」が実は…大切なのは消化吸収できる量です―

「たんぱく質を“食べる”量ではなく、たんぱく質を“消化吸収できる”量。

現代人の場合、たんぱく質を消化吸収できる量が少ないためにたんぱく質不足になっている人が多いように思います。

消化酵素と胆汁酸の原料となるのが、たんぱく質です。

つまり、たんぱく質を消化吸収するには体内に十分なたんぱく質が必要であり、そうでない人が無理にたんぱく質を食べても、ちゃんと消化吸収できずにお腹を崩してしまうことになります。

たんぱく質を原料として作られているものは、性ホルモンや副腎ホルモン(抗ストレスホルモン)、メンタルに関わる神経伝達物質などもあります。

―糖質を摂りすぎると、胃酸過多や逆流性食道炎の可能性が―

最近になって、糖質の摂りすぎで胃腸が弱っていくメカニズムが明らかになった。

胃は1分間に3回くらい、中にある食べ物を十二指腸へと押し出すMMCというぜん動運動を行っています。

これがないと、食べたものはいつまでも胃の中に残ることになるわけです。

毎日のように糖質ばかりたくさん摂り続けていると、胃のぜん動運動が行われない時間が作られてしまうことが分かってきたのです。

これは東京大学の研究チームが明らかにした現象で、「糖反射」という名前がつけられています。

まだ研究段階ですが、MMCが行われなくなると胃の中に食べ物が留まるため、胃壁は胃酸を出し続けます。

これが胃の不調や逆流性食道炎の原因にもなっているのではないかと考えられています。

現在、逆流性食道炎の原因は確定していませんが、糖質制限を行うと逆流性食道炎が改善することは明らかになっています。

糖質過多が原因で逆流性食道炎になっていると思われるケースは、かなり多いのではないかと考えられます。

なお、逆流性食道炎の人に対して、医師の中には胃酸の分泌を抑える胃散抑制剤を延々と出し続ける人がいますが、これには注意をしていただきたいと思います。

薬によって胃酸を抑えてしまうと、消化吸収力がかなり落ちてしまうからです。

もちろん、たんぱく質の吸収量も低下します。

胃酸が少ないと、ミネラルの摂り込みも悪くなり、全身の代謝が低下します。

逆流性食道炎の急性期など、本当にしんどい時だけ胃散抑制剤を飲みましょう。」

 

toshimori