頻尿にオススメの漢方の選び方|症状・体質別のおすすめ市販薬を解説

頻尿にオススメの漢方の選び方|症状・体質別のおすすめ市販薬を解説 漢方

トイレの回数が多い、特に夜中に何度も起きてしまうといった頻尿の悩みは、生活の質に大きく影響します。
病院に行くほどではないと感じていても、なんとかしたいと考える方は少なくありません。
漢方薬は、そのような頻尿の悩みにアプローチできる選択肢の一つです。

この記事では、ご自身の症状や体質に合ったおすすめの漢方薬の選び方や、市販薬を選ぶ際のポイントを解説します。

この記事でわかること
・自分の症状や体質から頻尿タイプを把握する必要性
・加齢やストレスといった原因別に適した漢方薬の選び方
・ドラッグストアで自分に合った市販薬を選ぶ際のポイント
・漢方薬の効果実感までの期間や副作用などの注意点

漢方が頻尿の悩みにアプローチできる理由

漢方では、頻尿の原因を体全体のバランスの乱れと捉えます。
例えば、体を温める力が弱まっていたり、体内の水分代謝が滞っていたり、生命エネルギーを蓄える「腎」の機能が低下していたりすることが原因と考えます。

漢方薬は、体を温めたり、水分の巡りを整えたり、腎の働きを補ったりすることで体のバランスを正常に近づけ、頻尿の根本的な原因を改善する働きが期待できます。

まずは自分の頻尿タイプをチェックしよう

効果的な漢方薬を選ぶためには、まず自分の頻尿がどのタイプかを知ることが大切です。
頻尿は、日中に8回以上、夜間に2回以上トイレに行く状態が目安とされます。
その原因は様々で、加齢や体の冷えによって腎の機能が低下するケース、仕事のプレッシャーなど精神的なストレスが原因のケース、残尿感や排尿時痛を伴う膀胱炎のようなケースがあります。

急な強い尿意を伴う過活動膀胱との違いも理解し、原因に合った対処が必要です。

【症状・体質別】頻尿のお悩みにおすすめの漢方薬

頻尿の治療薬には西洋薬もありますが、漢方薬も有効な選択肢となります。
市販されている漢方薬の中から、自分の症状や体質に合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な3つのタイプ別に、おすすめの漢方薬を紹介します。

加齢や体の冷えによる頻尿におすすめの漢方薬

加齢や体の冷えに伴い、特に夜間のトイレの回数が増える、尿のキレが悪いといった症状には、「八味地黄丸」や「牛車腎気丸」が適しています。
これらは体を温め、「腎」の働きを補うことで頻尿を改善に導く漢方薬です。
高齢者の男女問わず用いられ、頻尿のほか、足腰の痛みやしびれ、むくみ、かすみ目、かゆみ、便秘といった加齢に伴う様々な症状にも効果が期待できます。
腎の機能低下と漢方薬については「腎虚と漢方薬、代表的な八味地黄丸を解説」で詳しく紹介しています。

ストレスや精神的な緊張が原因の頻尿におすすめの漢方薬

精神的な緊張や不安を感じるとトイレが近くなる、いわゆる心因性頻尿には、神経の高ぶりを鎮めて心身のバランスを整える漢方薬が用いられます。
例えば「清心蓮子飲」は、胃腸が弱く、全身の倦怠感があり、口や舌が乾く人の残尿感や頻尿を改善します。
また、「柴胡加竜骨牡蛎湯」は、体格が良く、精神不安や不眠がある場合に適しています。

なお、小児の夜尿症には「小建中湯」が使われることがあります。
清心蓮子飲については「清心蓮子飲の効果|ストレスによる頻尿・残尿感を改善する漢方」で詳しく紹介しています。

残尿感や排尿時痛など膀胱炎のような症状におすすめの漢方薬

排尿後もすっきりしない残尿感、排尿時の痛み、急な尿意(尿意切迫感)、軽い尿漏れなど、膀胱炎に似た症状を伴う頻尿には、「猪苓湯(ちょれいとう)」や「五淋散(ごりんさん)」がおすすめです。
これらの漢方薬は、体内の余分な熱を冷まし、水分の排出を促すことで、尿路の炎症を和らげ、排尿に関する不快な症状を改善します。
猪苓湯は、体力に関わらず使用できるのが特徴です。
五淋散と猪苓湯の違いについては「五淋散と猪苓湯の違い|膀胱炎の症状・体質に合わせた選び方」で詳しく紹介しています。

ドラッグストアで市販の漢方薬を選ぶ際の3つのポイント

ドラッグストアには多くの種類の漢方薬が並んでおり、どれを選べばよいか迷うかもしれません。
市販薬は、病院で処方される医療用漢方薬に比べて成分量が調整されている場合があります。
自分に合った薬を正しく選ぶために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

パッケージに記載されている「効能・効果」を確認する

市販の漢方薬を選ぶ際に、まず確認すべきなのはパッケージの「効能・効果」欄です。
「頻尿」「夜間尿」「残尿感」「排尿困難」など、自分の悩みに合致する表記があるかを確認します。
漢方薬は、配合されている生薬の成分によって効果が異なります。
効能・効果の記載は、その薬がどの症状を対象としているかを示す最も重要な情報です。

自分の体力や体質に合った漢方薬を選ぶ

漢方薬の効果を最大限に引き出すには、自分の体力や体質に合ったものを選ぶことが不可欠です。
パッケージには「体力中等度で」「体力が虚弱で」といった体力の目安が記載されています。

例えば、同じ頻尿でも、体力があり、がっしりしたタイプの人と、疲れやすく胃腸が弱い虚弱なタイプの人とでは適した薬が異なります。
体質に合わない薬は、効果が出にくいだけでなく、胃もたれなどの不調を招くこともあります。

迷ったときは薬剤師や登録販売者に相談する

どの漢方薬が自分に適しているか判断に迷った場合は、ドラッグストアに常駐している薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。
現在の症状や体質、他に服用している薬、持病などを具体的に伝えることで、専門的な視点から最も適した漢方薬を選んでもらえます。
自己判断で選ぶ前に、専門家の意見を聞くことが安全で効果的なセルフケアにつながります。

漢方薬を服用する前に知っておきたい注意点

漢方薬は天然の生薬から作られており、体に優しいイメージがありますが、医薬品であることに変わりはありません。
効果がある一方で、副作用のリスクも存在します。
服用を始める前に、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。

効果を実感できるまでの期間の目安

漢方薬は、体質から改善していくものが多いため、西洋薬のようにすぐに効果が現れるとは限りません。
効果の出方には個人差がありますが、一般的にはまず2週間から1ヶ月程度、用法・用量を守って服用を続けることが一つの目安です。
この期間で症状の変化を見ながら、服用を継続するかどうかを判断します。

副作用のリスクも理解しておく

漢方薬でも副作用が起こる可能性はあります。
代表的なものとして、発疹、かゆみ、食欲不振、胃の不快感などが挙げられます。
また、複数の漢方薬に含まれる甘草という生薬を過剰に摂取すると、偽アルドステロン症を引き起こすことがあります。

体に異常を感じた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

長期間改善しない場合は医療機関を受診する

市販の漢方薬を1ヶ月ほど試しても症状が改善しない、あるいは悪化するような場合は、自己判断での服用を中止し、泌尿器科などの医療機関を受診してください。
頻尿の症状の背後には、男性の前立腺肥大症や前立腺炎、あるいは糖尿病や高血圧といった、専門的な治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。

根本的な原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

頻尿 漢方に関するよくある質問

頻尿に対する漢方薬について、多くの方が抱く疑問にお答えします。

Q. 漢方薬はどのくらいの期間飲み続ければ効果を実感できますか?

効果を実感できる期間には個人差がありますが、一般的に2週間〜1ヶ月程度の服用が目安です。
体質改善を目的とするため、症状が少しずつ和らいでいくケースが多いです。
1ヶ月試しても症状の改善が見られない場合は、医師や薬剤師にご相談ください。

Q. 病院で処方された薬と市販の漢方薬を併用しても問題ありませんか?

自己判断での併用は避けてください。
薬の成分が重複したり、相互作用によって予期せぬ副作用が出たりする可能性があります。
現在、病院で治療を受けている方は、漢方薬を服用する前に必ず主治医や薬剤師に相談し、指示を仰ぐようにしましょう。

Q. 漢方で頻尿になりにくい体質に変えることは可能ですか?

漢方は対症療法だけでなく、体全体のバランスを整えることで体質改善を目指すものです。
冷えや血行不良、自律神経の乱れなど、頻尿の根本原因にアプローチすることで、症状が起こりにくい体質になることを目指せます。
継続的な服用が大切です。

まとめ

頻尿の症状は、加齢、冷え、ストレスなど様々な原因によって引き起こされます。
漢方薬は、それぞれの原因や体質に合わせて選ぶことで、つらいトイレの悩みを和らげる有効な選択肢となります。
市販薬を選ぶ際は、パッケージの効能・効果を確認し、自分の体力に合ったものを選びましょう。

漢方薬は頻尿を抑える助けになりますが、症状が長引く場合は自己判断を続けず、専門の医療機関を受診することも検討してください。

歳森 三千代
(としもり みちよ)
/ 薬剤師

岡山県岡山市にある不妊・妊活専門の漢方相談薬局 福神トシモリ薬局で、漢方と体質改善による妊活支援・身体づくりを専門とする薬剤師。これまで延べ1,300名以上の妊娠相談実績を持つ(全国からの相談対応あり)。 ブログでは「漢方や健康に関する豆知識」「妊活・不妊のお役立ち情報」「体質に合わせた漢方の使い方」など、専門知識に基づく実践的な情報を発信しています。読者の生活に寄り添い、長年の相談実績をもとに分かりやすく解説することを心がけています。
※掲載内容は一般的な情報であり、効果には個人差があるため、効果を必ずしも証するものではありません。