つわりになりやすい人の特徴【チェック】原因・対策・受診の目安
妊活・不妊
妊娠初期に多くの人が経験する「つわり」。
吐き気やだるさなど症状は様々ですが、その程度には大きな個人差があります。
なぜ症状が重くなる人とそうでない人がいるのでしょうか。
この記事では、つわりになりやすい人の特徴をチェックリスト形式で解説するとともに、その原因やご自身でできる対策、病院を受診すべき目安までを詳しく紹介します。
つわりになりやすい人の特徴【セルフチェックリスト】
つわりの症状が出やすいとされる人の特徴について、ご自身で確認できるチェックリストを用意しました。
体質や生活習慣など、いくつかの項目に分けて解説します。
ただし、これらの特徴に当てはまるからといって、必ずしもつわりが重くなるとは限りません。
あくまでご自身の体質や状況を把握するための目安としてご活用ください。
体質・遺伝に関する7つの特徴
身体的な体質やつわり経験のある家族がいるかどうかは、症状の出やすさに関係することがあります。
まず、乗り物酔いをしやすい人は、揺れによる刺激で三半規管が敏感なため、つわりの吐気も感じやすい傾向にあります。
また、月経前症候群(PMS)の症状が重い、普段から胃腸が弱い、偏頭痛持ちといった特徴も、自律神経の乱れやホルモンバランスの変化に体が過敏に反応しやすいため、つわりの症状につながることがあります。
東洋医学では、胃腸の働きが弱いと体内の水分代謝が悪くなる「水毒」という状態になり、これが吐き気の原因になるとも考えられています。
さらに、母親や姉妹がつわりが重かった場合、遺伝的な要因や体質が似ていることから、自身も同様の症状を経験する可能性があります。
生活習慣・環境に関する5つの特徴
日々の生活習慣やおかれている環境も、つわりの症状に影響を与えることがあります。
特に、仕事や人間関係などで強いストレスを感じている場合や、妊娠に対する不安が大きいと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
自律神経は胃腸の働きをコントロールしているため、その乱れが吐き気や気分の落ち込みといったつわりの症状を悪化させる一因となります。
東洋医学では、ストレスは「気」の流れを滞らせる「気滞」を引き起こすと考えられており、これも症状の悪化に関係します。
その他、睡眠不足や不規則な食生活、栄養の偏りといった生活習慣の乱れも、体の抵抗力を下げ、つわりの症状が出やすい状態を作る特徴といえます。
妊娠の状況に関する3つの特徴
妊娠そのものの状況も、つわりの重さに関係する場合があります。
例えば、初めての妊娠である初産婦は、体が妊娠による急激なホルモン変化に慣れていないため、つわりの症状を強く感じやすいといわれています。
また、双子や三つ子などの多胎妊娠の場合、単胎妊娠に比べてhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌量が多いため、つわりの症状がより強く、長く続く傾向があります。
若年での妊娠も、ホルモンバランスが大きく変動しやすいため、つわりが重くなる特徴の一つとして挙げられることがありますが、これについては個人差が大きい部分です。
そもそもつわりはなぜ起こる?主な原因を解説
つわりの明確な原因は、現代の医学でも完全には解明されていません。
しかし、妊娠によって起こる体の変化が深く関わっていると考えられており、いくつかの有力な説が存在します。
つわりの特徴的な症状がなぜ起こるのか、その主な原因として考えられている3つの説を解説します。
急激なホルモンバランスの変化が影響する
妊娠すると、胎盤からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンが急激に増加します。
特にhCGは、脳の延髄にある嘔吐中枢を直接刺激するため、吐き気の主な原因とされています。
つわりの症状が妊娠8〜10週頃にピークを迎えるのは、このhCGの分泌量が最も多くなる時期と一致します。
また、プロゲステロンには、胃腸の筋肉を緩める働きがあるため、食べ物の消化が遅くなり、胃もたれや吐き気を引き起こしやすくなるという特徴もあります。
ストレスや精神的な不安が症状を悪化させることも
つわりの症状は、精神的な状態にも大きく左右されます。
妊娠や出産に対する不安、仕事や家庭環境の変化によるストレスは、自律神経のバランスを崩す原因となります。
自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、内臓の働きやホルモン分泌をコントロールしています。
ストレスによってこのバランスが乱れると、胃腸の不調や気分の落ち込みなどが現れやすくなり、元々あったつわりの症状をさらに悪化させてしまうことがあります。
リラックスできる環境を整えることが、症状緩和の鍵となります。
身体が赤ちゃんを守るための防御反応という説
つわりは、妊娠初期の重要な器官形成期に、お腹の赤ちゃんを有害な物質から守るための、母体の防御反応であるという説も有力です。
吐き気や嘔吐、特定の食べ物を受け付けなくなるといった特徴的な症状は、食中毒の原因となる細菌や有害物質を含む可能性のある食べ物を、無意識に避けるための体の仕組みではないかと考えられています。
この説によれば、つわりは赤ちゃんが健やかに育つために備わった、本能的なメカニズムの一つと捉えることができます。
つわりの代表的な症状とは?タイプ別の特徴
「つわり」と一言でいっても、その症状は一つではありません。
吐き気が中心の人もいれば、眠気がひどい人、特定の匂いがダメになる人など、現れ方は多岐にわたります。
東洋医学では、その人の体質によって症状の出方に特徴があると考えられています。
ここでは、代表的なつわりの4つのタイプとその特徴について解説します。
吐き気や嘔吐が続く「吐きづわり」
「吐きづわり」は、つわりの症状として最もよく知られているタイプです。
時間帯に関係なく、常にむかむかとした吐き気を感じたり、実際に嘔吐してしまったりします。
症状が重い場合は、食事や水分を摂ることさえ困難になることも少なくありません。
何も食べていないのに胃液を吐いてしまうなど、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は、後述する「妊娠悪阻」の可能性も考えられるため、注意が必要です。
空腹時に気持ち悪くなる「食べづわり」
「食べづわり」は、空腹になると血糖値が下がり、強い吐き気やむかつきを感じるのが特徴です。
そのため、常に何かを口にしていないと気分が悪くなる状態になります。
夜中や朝方に空腹で目覚め、気持ち悪さを感じる人も少なくありません。
このタイプの対策としては、一度にたくさん食べるのではなく、おにぎりやクラッカー、飴などを常に持ち歩き、空腹を感じる前に少しずつ口にする「少量頻回食」が有効です。
特定の匂いで気分が悪くなる「においづわり」
妊娠によって嗅覚が非常に敏感になり、これまで平気だった匂いが突然不快に感じられるようになるのが「においづわり」です。
特に、ご飯の炊ける匂いや、炒め物、煮物などの調理臭、香水や柔軟剤の香り、タバコの匂いなどが引き金となり、強い吐き気を催すことがあります。
対策としては、苦手な匂いを避けるのが一番ですが、マスクを着用したり、レモンやミントなど自分が心地よいと感じる香りを嗅いだりすることで、気分が紛れることもあります。
常に強い眠気を感じる「眠りづわり」
「眠りづわり」は、妊娠を維持するために増加するプロゲステロンというホルモンの影響で、常に強い眠気や倦怠感に襲われる症状です。
まるで風邪をひいた時のように体がだるく、日中でも仕事や家事に集中できないほどの眠気を感じることが特徴です。
体の変化に対応するため、多くのエネルギーを消耗している証拠でもあります。
可能な限り体を休め、短時間の昼寝を取り入れるなど、無理のない生活を心がけることが大切です。
つらい症状を少しでも和らげるための対策5選
つわりの症状は個人差が大きく、特効薬はありませんが、日常生活の中で少し工夫することで、つらさを軽減できる場合があります。
ここでは、すぐに試せるセルフケアの方法を5つ紹介します。
ご自身の体調に合わせて、取り入れやすいものから試してみてください。
食事の仕方や内容を工夫する
つわりの時期は「食べられるものを、食べられるときに、食べられるだけ」を基本にしましょう。
一度にたくさん食べると胃に負担がかかるため、おにぎりやパン、果物などを少量ずつ数回に分けて食べる「少量頻回食」がおすすめです。
また、温かいものより冷たいものの方が匂いが少なく食べやすいことがあります。
そうめんや冷奴、ゼリー、アイスクリームなど、口当たりの良いものを選んでみてください。
東洋医学では、生の生姜が吐き気を抑える食材として知られており、飲み物や料理に少し加えるのも良い方法です。
心と体をゆっくり休ませる時間を作る
疲労や睡眠不足は、自律神経の乱れにつながり、つわりの症状を悪化させる原因となります。
つらいと感じるときは無理をせず、意識的に休息をとることが重要です。
仕事や家事の合間に少し横になったり、ソファでくつろいだりするだけでも体は楽になります。
特に眠りづわりの症状がある場合は、我慢せずに短時間の昼寝を取り入れるなどして、こまめに体を休ませるようにしましょう。
我慢せずに家族や職場に協力を求める
つわりのつらさは、本人にしか分かりません。
一人で抱え込まず、パートナーや家族、職場の人に自分の体調を正直に伝え、理解と協力を得ることが大切です。
匂いに敏感になっていることを伝えて食事の準備を代わってもらったり、体調が悪い日は家事を分担してもらったりするだけでも、心身の負担は大きく軽減されます。
職場でも、時差出勤や在宅勤務、休憩時間の調整など、無理なく働ける環境について相談してみましょう。
自分なりのリフレッシュ方法を見つける
つわりの不快感から気分をそらすことも、症状の緩和に役立ちます。
体調が良い時に、軽い散歩に出かけたり、好きな音楽を聴いたり、読書や映画鑑賞に没頭したりと、自分が心地よいと感じる時間を作りましょう。
アロマテラピーを取り入れ、柑橘系やミント系の爽やかな香りで気分転換を図るのもおすすめです。
ストレスを上手に発散させることが、自律神経のバランスを整え、つわりの軽減につながります。
ビタミンB6が含まれる食品を意識して摂る
ビタミンB6には、つわりの吐き気や嘔吐を軽減する効果があるという研究報告があります。
この栄養素は、アミノ酸の代謝を助け、神経伝達物質の合成に関わることで、気分の落ち込みや吐き気を和らげると考えられています。
ビタミンB6は、鶏のささみや胸肉、マグロ、カツオ、バナナ、ナッツ類などに多く含まれています。
食事から摂るのが難しい場合は、サプリメントを利用する方法もありますが、事前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
これは危険信号?病院を受診すべき「妊娠悪阻」の目安
ほとんどのつわりは妊娠12〜16週頃には自然に落ち着きますが、症状が極度に悪化し、治療が必要な「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という状態に陥ることがあります。
これは全妊婦の約1〜2%に見られる症状で、放置すると母体と胎児の両方に危険が及ぶ可能性があります。
以下の目安に当てはまる場合は、自己判断で我慢せず、速やかにかかりつけの産婦人科を受診してください。
水分補給もできず脱水症状がみられる
嘔吐が激しく、水やお茶などの水分さえも全く受け付けなくなった場合は、脱水症状を引き起こす危険性が非常に高い状態です。
尿の回数が1日に1〜2回以下に減った、尿の色が濃くなった、口の中が乾く、皮膚の弾力がなくなる、といったサインが見られたら、すぐに医療機関を受診してください。
脱水は腎臓の機能低下や血栓症のリスクを高めるため、点滴による水分補給が必要となります。
妊娠前の体重から5%以上減少している
食事をほとんど摂れず、嘔吐を繰り返すことで体重が急激に減少するのも危険なサインです。
目安として、妊娠前の体重から5%以上の減少が見られる場合は、妊娠悪阻の可能性が高いと考えられます。
例えば、妊娠前に50kgだった場合、2.5kg以上の体重減少があれば受診が必要です。
体重減少は、母体が栄養失調状態にあり、エネルギー不足に陥っていることを示しています。
1日に何度も激しく嘔吐してしまう
1日に数回程度の嘔吐はつわりの範囲内ですが、飲食するたびに吐いてしまう、あるいは何も口にしていなくても1日に何度も激しく嘔吐を繰り返す場合は、注意が必要です。
このような状態では、胃や食道の粘膜が傷つくだけでなく、体力の消耗も激しくなります。
日常生活に大きな支障をきたしていると感じたら、無理をせず医師に相談しましょう。
立ち上がれないほどのめまいや頭痛がある
脱水や栄養不足、低血糖などが原因で、立ち上がれないほどの強いめまいやふらつき、頭痛が続く場合も受診の目安です。
これらの症状は、脳に必要な血液や栄養が十分に行き渡っていないサインかもしれません。
また、ふらつきによる転倒は、妊娠中に最も避けたい事故の一つです。
症状が軽いと思っても、我慢せずに医療機関で診察を受けることが重要です。
つわりになりやすい人 チェックに関するよくある質問
つわりになりやすい人の特徴やセルフチェックについて、多くの方が疑問に思う点をまとめました。
つわりの有無や重さと、赤ちゃんの状態との関連など、よくある質問に回答します。
つわりが全くないのは問題ありますか?
つわりが全くなくても、妊婦健診で赤ちゃんの成長が順調に確認できていれば、何の問題もありません。
つわりの有無や強さといった特徴は個人差が非常に大きく、体質によるものです。
全体の約2割の妊婦はつわりを経験しないともいわれており、症状がないからといって心配する必要は全くありません。
つわりの重さと赤ちゃんの性別に関係はありますか?
女の子を妊娠しているとつわりが重くなる、といった俗説がありますが、医学的・科学的に明確な根拠はありません。
一部の研究で関連性を示唆するものもありますが、性別によって症状の特徴が異なると断定できるものではなく、あくまでジンクスのようなものと捉えるのが一般的です。
つわりの重さで性別を判断することはできません。
二人目の妊娠だとつわりは軽くなりますか?
一人目の妊娠時と二人目以降とで、つわりの重さが変わることは珍しくありません。
しかし、必ずしも軽くなるとは限らず、逆に重くなる人もいます。
その時の母体の健康状態やストレスの有無、生活環境によって症状の出方や特徴は変化します。
前回の経験がある分、対策を立てやすいという利点はあります。
まとめ
つわりになりやすい人には、体質や生活習慣など様々な特徴がありますが、これらはあくまで傾向であり、必ずしも当てはまるわけではありません。
ご自身の体の状態を知る一つの目安として捉え、不安になりすぎないことが大切です。
食事や休息の工夫といったセルフケアを試しながら、つらい症状が続く場合や、妊娠悪阻が疑われる危険なサインが見られる場合は、決して我慢せずに医療機関に相談してください。
ご自身の体と心の声を大切に、この時期を乗り越えましょう。

