二日酔いと薬|症状別(頭痛・吐き気)のおすすめ市販薬と予防対策

二日酔いと薬|症状別(頭痛・吐き気)のおすすめ市販薬と予防対策 健康

辛い二日酔いの症状に活用する薬は、原因や症状に合わせて選ぶことが重要です。
この記事では、薬剤師の視点から、頭痛や吐き気といった症状別にきく市販薬の選び方を解説します。
また、二日酔いを繰り返さないための予防策や、薬だけに頼らないセルフケアによる対策も紹介し、健やかな毎日をサポートします。

【症状別】今すぐ改善したい!二日酔いに用いられる市販薬の選び方

ひどい二日酔いの時、即効性を求めて薬を探す方は少なくありません。
「二日酔いに活用する薬」と名のつく医薬品は市販されておらず、症状に合わせて薬を選ぶ必要があります。
頭痛や胃のむかつきなど、今出ている一番つらい症状を改善することを目的に、鎮痛薬や胃腸薬などを選択します。
漢方薬も選択肢の一つとして有効です。
自分の症状を正しく把握し、適切な薬で対処することが、つらい状態から早く回復するための鍵を握ります。

【頭痛】つらいズキズキには鎮痛成分を含む薬を選ぶ

二日酔いの頭痛は、アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドが血管を拡張させることが主な原因です。
このズキズキとした痛みには、「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」などの鎮痛成分を含む市販薬が有効です。
ただし、これらの鎮痛薬は胃に負担をかけることがあるため、空腹時の服用は避けましょう。
胃粘膜を保護する成分が配合された製品を選ぶか、胃薬を併用するなどの工夫が必要です。
アセトアミノフェンは比較的胃への負担が少ないとされています。

【吐き気・胃のむかつき】荒れた胃を保護する胃腸薬が有効

アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、胃酸の分泌を過剰にさせるため、吐き気や胃のむかつき、胸焼けといった症状を引き起こします。
これらの症状を抑えるには、胃腸薬が効果的です。
胃酸の分泌を抑える成分(H2ブロッカーなど)、荒れた胃粘膜を保護・修復する成分、弱った胃の働きを助ける健胃生薬などが配合された胃薬を選びます。
吐き気止めとして作られた薬ではありませんが、胃の不快な状態を改善することで、吐き気を抑える効果が期待できます。
漢方胃薬の選び方については「症状別漢方胃薬の選び方」で詳しく紹介しています。

【だるさ・むくみ】体内の水分バランスを整える漢方薬も選択肢に

二日酔いによる倦怠感や顔のむくみ、めまいといった症状は、東洋医学でいう「水毒」、つまり体内の水分バランスの乱れが原因と考えられます。
このような状態には、漢方薬が有効な選択肢です。
代表的な漢方薬に「五苓散」があり、体内の余分な水分を尿として排出し、偏在を整えることで症状を改善します。
市販薬では、五苓散を主成分とする「アルピタン」などがあります。
五苓散は頭痛や吐き気にも効果が期待できるため、複数の症状に悩む場合にも適しています。
五苓散の効果については「五苓散のむくみ・二日酔い・気象病への効果」で詳しく紹介しています。

【肝臓のケア】アルコールの代謝を助ける成分を選ぶ

お酒を飲み過ぎると、アルコールの分解を担う肝臓に大きな負担がかかり、代謝が追いつかなくなることで様々な不調があらわれます。
このような状態には、肝臓の働きをサポートする成分が含まれた医薬品が適しています。
代表的な成分として、胆汁の分泌を促進してアルコールの分解を助けるウルソ(ウルソデオキシコール酸)や、アミノ酸の一種であるメチオニンなどが挙げられます。
これらはすぐに症状を改善する即効性のある薬ではありませんが、負担がかかった肝機能の回復を緩やかに支え、根本的な体調改善を促す効果が期待できます。
生薬では、熊の胆があります。熊の胆の効能については「熊の胆の二日酔いや胃もたれへの効果」で詳しく紹介しています。

【顔の赤み・ほてり】体の熱を冷ます漢方薬も選択肢に

アルコールの代謝過程で生じるアセトアルデヒドの影響により、顔が赤い、ほてる、のぼせるといった症状が強く出ることがあります。
このようなアルコールによって体にこもった余分な熱や炎症を鎮めるには、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などの漢方薬が有効な選択肢となります。
胃炎など複数の不調にも効果が期待でき、イライラして落ち着かない傾向がある方にも向いています。
ただし、服用後に息苦しさや腹痛などの異常を感じた場合は、副作用の可能性もあるため使用を中止して医師や薬剤師に相談してください。

そもそも二日酔いはなぜ起きる?原因をわかりやすく解説

二日酔いの不快な症状は、主に3つの原因によって引き起こされます。
第一に、アルコールが肝臓で分解される際に生じる「アセトアルデヒド」という有害物質です。
この物質が体内に蓄積すると、頭痛や吐き気の直接的な原因となります。
第二に、アルコールの利尿作用による「脱水症状」です。
体内の水分が失われることで、喉の渇きやだるさ、頭痛が悪化します。
第三に、アルコールによる「胃の炎症」です。
アルコールが直接胃の粘膜を刺激することで、胃痛や胃のむかつき、胸焼けなどが起こります。

もう繰り返さない!飲む前・飲んだ後でできる二日酔いの予防策

つらい二日酔いは、飲む前・飲酒中・飲んだ後の少しの工夫で防ぐ、あるいは症状を軽減することが可能です。
翌日に大切な予定がある場合など、次の日のパフォーマンスを落とさないためにも、適切な予防策を講じることが賢明です。
アルコールの影響を最小限に抑え、体をいたわるための具体的な方法を知っておくことで、お酒との上手な付き合い方ができるようになります。
ここでは、それぞれのタイミングで実践できる簡単な予防策を紹介します。

【飲む前】空腹を避けて胃の粘膜を保護する

空腹の状態で飲酒すると、アルコールが胃から急速に吸収され、血中アルコール濃度が急上昇しやすくなります。
また、胃に直接的なダメージを与え、胃炎や胃痛の原因にもなります。
これを防ぐため、お酒を飲む前には必ず何か食事を摂るようにしましょう。
特に、乳製品(牛乳やヨーグルト)や脂肪分を含む食品(チーズやナッツなど)は、胃の粘膜に膜を張って保護し、アルコールの吸収を穏やかにする効果が期待できます。
飲む前に少しお腹に入れておくだけで、体への負担は大きく変わります。

【飲酒中】アルコールの吸収を穏やかにする飲み方のコツ

お酒を飲む際は、血中アルコール濃度を急激に上げない飲み方を意識することが、二日酔い予防の鍵となります。
まず、水やノンカフェインのお茶をチェイサーとして用意し、お酒と交互に飲む「和らぎ水」を実践しましょう。
これにより、アルコールの摂取ペースが緩やかになるだけでなく、脱水予防にもつながります。
また、食事と一緒にゆっくり楽しむことで、アルコールの吸収が穏やかになります。
アルコール度数の高いお酒は薄めて飲む、ちゃんぽんを避けるといった工夫も有効です。

【飲んだ後・寝る前】脱水を防ぐために水分をしっかり補給する

飲酒後は、アルコールの利尿作用によって体は脱水状態に傾いています。
特に睡眠中は汗をかくため、寝る前に水分を補給しておくことが重要です。
このひと手間が、翌朝の頭痛やだるさといった症状を大きく左右します。
就寝前に、常温の水や麦茶などカフェインを含まない飲み物を、コップ1〜2杯程度飲んでおきましょう。
スポーツドリンクなどで失われた電解質を補給するのも効果的です。
飲酒後すぐの水分補給を習慣にすることが、二日酔い対策の基本です。

薬だけじゃない!二日酔いを早く改善するためのセルフケア方法

二日酔いの症状は、市販薬による対症療法だけでなく、適切なセルフケアを組み合わせることで、より早く回復を促すことができます。
薬はあくまで一時的な対処であり、根本的な回復には体の内側からのケアが不可欠です。
水分補給、食事、休息という3つの基本を丁寧に行うことが、アルコールの分解・排出を助け、ダメージを受けた体を正常な状態に戻すための最も確実な方法です。

スポーツドリンクなどで水分と電解質を補給する

二日酔いの体は、水分だけでなくナトリウムやカリウムといった電解質も失われた状態にあります。
そのため、ただの水を飲むよりも、水分と電解質を効率よく吸収できるスポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。
これらのドリンクは、体液に近い浸透圧に調整されているため、素早く体に吸収されます。
適切な液体で水分補給を行うことは、脱水による頭痛や倦怠感の改善に直結します。
冷たい飲み物は胃に負担をかけることがあるため、常温で少しずつ飲むのが良いでしょう。

消化に良い食事で胃腸を休ませる

アルコールによって胃腸は大きなダメージを受けており、消化機能も低下しています。
そのため、脂っこい食事や香辛料の多い刺激物は避け、消化に良いものを選んで胃腸を休ませることが大切です。
おかゆや雑炊、よく煮込んだうどん、野菜スープなどが適しています。
また、しじみの味噌汁は、肝臓の働きを助けるオルニチンやタウリンが豊富に含まれているため特におすすめです。
食欲がない場合は無理に食べる必要はありませんが、胃腸の不快感や腹痛を防ぐためにも、回復期の食事には配慮が必要です。

無理に動かず安静にして肝臓の回復を待つ

二日酔いの主な原因であるアセトアルデヒドを分解するのは肝臓の役割です。
体が活動していると、血液が筋肉など他の臓器に優先的に供給されるため、肝臓への血流が減少し、アルコールの分解が遅れてしまいます。
軽い散歩程度なら問題ありませんが、症状が辛い時は無理に動かず、静かに横になって体を休ませましょう。
肝臓がアルコール分解という仕事に集中できる環境を整えることが、結果的に回復への一番の近道となります。
特に睡眠は肝機能を回復させる上で非常に重要です。

ビタミンCや糖分を含む果物などで回復を促す

二日酔いの回復を早めるためには、ビタミンCや糖分を含んだ食べ物や飲み物を摂取することも効果的です。
オレンジやリンゴなどの果物に含まれるビタミンCは、肝臓の酵素の働きを活性化させ、原因物質であるアセトアルデヒドの分解を促進する働きがあります。
また、アルコールの分解にはエネルギーが必要となるため、糖質を摂取することでアルコール性低血糖を防ぐことにもつながります。
食欲がない場合でも、果汁100%のオレンジジュースなどを少量ずつ飲むことで、効率よく栄養と水分を補給できます。

悪化させるかも?二日酔いのときにやってはいけないNG行動

二日酔いを早く良くしたい一心で取る行動が、かえって症状を長引かせたり、体にさらなる負担をかけたりすることがあります。
良かれと思って行ったことが、予期せぬ副作用のような結果を招くことも少なくありません。
回復を妨げるだけでなく、健康を損なうリスクのあるNG行動を正しく理解し、避けることが賢明な対処法です。
ここでは、二日酔いのときに特に注意すべき3つの行動について解説します。

迎え酒でさらにアルコールを摂取する

迎え酒をすると、一時的に感覚が麻痺して楽になったように感じることがありますが、これは根本的な解決にはなりません。
新たに取り込まれたアルコールを分解するために肝臓にさらなる負担を強いることになり、結果として二日酔いの回復を大幅に遅らせます。
また、アルコールで不快感を紛らわす行為は、アルコール依存症につながる危険性も指摘されており、絶対に避けるべき習慣です。
体の回復を最優先し、肝臓を休ませることに専念してください。

長時間の入浴やサウナで無理に汗をかく

「汗をかいてアルコールを抜く」という考えから、二日酔いの状態での長時間の入浴やサウナを試みる人がいますが、これは非常に危険な行為です。
二日酔いの体はすでに脱水状態にあり、さらに大量の汗をかくことで脱水を悪化させ、症状を深刻化させる恐れがあります。
また、飲酒後は血管が拡張して血圧が変動しやすくなっているため、急激な温度変化は心臓にも大きな負担をかけます。
入浴する場合は、ぬるめのお湯で短時間にとどめましょう。

コーヒーなどカフェインを多く含む飲み物を摂りすぎる

二日酔いの頭痛を和らげようとコーヒーを飲む人がいますが、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。
カフェインには血管収縮作用があり、一時的に頭痛が和らぐこともありますが、強い利尿作用も持っています。
そのため、すでに脱水傾向にある体をさらに脱水状態に進めてしまう可能性があります。
また、カフェインは胃酸の分泌を促すため、アルコールで荒れた胃に追い打ちをかけ、吐き気や胸焼けを悪化させることもあります。
水分補給は水や麦茶など、ノンカフェインの飲み物で行いましょう。

危険な二日酔いの症状と病院を受診する目安

二日酔いの症状の中には、市販薬やセルフケアでは対応できない危険な状態が隠れていることがあります。
重度の脱水や急性胃炎、急性アルコール中毒などが疑われる場合は無理をせず、速やかに病院を受診することが重要です。

激しい嘔吐や歩行のふらつきは要注意

通常の二日酔いとは異なり、何度も繰り返す激しい嘔吐、歩行のふらつき、意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍いといった症状が見られる場合は、急性アルコール中毒や重度の脱水を引き起こしている可能性があります。
また、吐いたものに血が混じっていたり、黒いタール状の便が出たりする場合は、胃や食道の粘膜から出血している恐れがあります。
これらの症状は放置すると命に関わることもあるため、自宅での対処にこだわらず早急に医療機関で適切な治療を受けてください。
迷った際は救急相談窓口などを活用しましょう。

二日酔いの薬に関するよくある質問

二日酔いの薬選びや飲み方については、多くの方が疑問をお持ちです。
ここでは、薬剤師の視点から、特によく寄せられる質問にお答えします。
市販薬の正しい使い方から、医療機関で処方される薬との違いまで、適切な知識を持つことがセルフケアの第一歩です。
ただし、症状が非常に重い場合や、市販薬を使用しても改善しない場合は、速やかに医療機関を受診してください。

Q. 二日酔いのひどい頭痛にロキソニンは飲んでも大丈夫ですか?

胃腸に問題がなければ服用可能ですが、注意が必要です。
ロキソニンなどの鎮痛剤は、胃の粘膜を荒らす可能性があるため、アルコールで胃がダメージを受けている二日酔いの際は特に慎重になるべきです。
服用する場合は、必ず空腹時を避け、何か食べてからにしましょう。
胃を守る成分が配合された製品を選ぶか、胃薬との併用を推奨します。

Q. ウコンやヘパリーゼ系のドリンクはいつ飲むのが効果的ですか?

一般的に、ウコンやヘパリーゼ系のドリンクは、肝臓の働きをサポートする成分が含まれているため、飲酒前に飲むのが効果的とされています。
アルコールが体内に入る前に、分解を助ける準備を整えておくという考え方です。
ただし、製品によって推奨されるタイミングは異なるため、必ずパッケージの表示を確認してから摂取するようにしてください。

Q. 頭痛と吐き気が同時にある場合、どの薬を優先すべきですか?

胃の症状をケアする胃腸薬を優先するのがおすすめです。
頭痛と吐き気が併発している場合、鎮痛剤を服用すると胃に負担をかけ、吐き気を悪化させる可能性があります。
まずは胃粘膜を保護する薬などで胃の状態を整え、吐き気が少し落ち着いてから鎮痛剤の服用を検討します。
ふらつきなどもある場合は、五苓散などの漢方薬が両方の症状にアプローチできるため、選択肢の一つになります。
五苓散の効果については「五苓散のめまい・吐き気への効果」で詳しく紹介しています。

まとめ

二日酔いの対策は、症状に応じた薬を選ぶ対症療法と、再発を防ぐ予防策の両輪が重要です。
頭痛には鎮痛剤、吐き気には胃腸薬、複合的な症状には漢方薬というように使い分けます。
市販薬にも様々な製品が販売されています。
錠剤や顆粒、粉といった剤形も選べます。
医療機関では、症状に応じてウルソ、ナウゼリン、ファモチジン、タチオンといった処方薬が出されることもあります。
二日酔い止めとして乗り物酔いの薬を使うのは適応外です。
ウコンやヘパリーゼなどのサプリやドリンクは飲む前に摂取し、飲酒後は水分補給を心がけます。
体質に合ったサプリを見つけることも、お酒との付き合い方を快適にする一助となります。

歳森 三千代
(としもり みちよ)
/ 薬剤師

岡山県岡山市にある不妊・妊活専門の漢方相談薬局 福神トシモリ薬局で、漢方と体質改善による妊活支援・身体づくりを専門とする薬剤師。これまで延べ1,300名以上の妊娠相談実績を持つ(全国からの相談対応あり)。 ブログでは「漢方や健康に関する豆知識」「妊活・不妊のお役立ち情報」「体質に合わせた漢方の使い方」など、専門知識に基づく実践的な情報を発信しています。読者の生活に寄り添い、長年の相談実績をもとに分かりやすく解説することを心がけています。
※掲載内容は一般的な情報であり、効果には個人差があるため、効果を必ずしも証するものではありません。