腰痛におすすめの漢方薬【症状別】市販で買える薬も紹介| 不妊・妊活の漢方薬局(岡山) | 福神トシモリ薬局(オンライン相談可)
漢方
つらい腰痛に悩んでおり、改善のために漢方薬を試したいと考えている方もいるでしょう。
漢方では、痛みそのものを抑えるだけでなく、体質から改善することで根本的な解決を目指します。
この記事では、症状や体質別に腰痛対策に役立つ漢方薬を紹介します。
薬局やドラッグストアなどで購入できる市販の薬も解説するので、自分に合った薬を選ぶ際の参考にしてください。
つらい腰痛の改善に漢方薬が選ばれる理由
西洋医学が痛み止めなどで直接的な症状緩和を目指すのに対し、漢方医学は「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスを整えることで、体質から不調を改善するアプローチを取ります。
腰痛に対しては、体を温めて血行を促進したり、滞った水分の排出を促したり、筋肉の緊張を和らげたりと、多角的な効果が期待できます。
痛みだけでなく、冷えやだるさといった腰痛に伴う不調の改善にもつながる点が、漢方薬が選ばれる理由の一つです。
自分に合った漢方薬を見つけるための3つの選び方
漢方では、その人の体質や症状の状態を示す「証」に合った薬を選ぶことが非常に重要です。証を見極めることで、腰痛の根本原因にアプローチし、より高い効果が期待できます。
自分に最適な漢方薬を見つけるためには、体力や体質、痛みの種類、そして継続のしやすさという3つの視点から判断することが求められます。ここでは、その具体的な選び方について解説します。
自分の体力や体質に合っているか確認する
漢方薬を選ぶ上で最も重要なのが、自分の体力や体質を示す「証」を把握することです。
体力があり、がっちりした体格の人は「実証」、疲れやすく胃腸が弱いなど虚弱な体質の人は「虚証」に分類されます。
また、体が冷えやすい「寒証」か、のぼせたりほてりやすかったりする「熱証」かという判断も必要です。
例えば、更年期に見られる腰痛は、ホルモンバランスの変化に伴う冷えやのぼせといった体質変化が関係していることもあります。
これらの情報を総合的に判断し、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが改善への第一歩となります。
腰痛の種類や原因から判断する
腰痛の原因は、ぎっくり腰のような急性のものから、長年続く慢性のものまでさまざまです。
急性の痛みは筋肉の炎症やけいれん、慢性の痛みは血流の悪化や加齢による関節の衰えなどが考えられます。
漢方では、これらの原因に応じて処方を使い分けます。
例えば、血行を促進して体を温める漢方薬は、冷えが原因の慢性的な腰痛に適しています。
一方、筋肉のけいれんを伴う急な痛みには、筋肉の緊張を緩和する作用のあるものが選ばれます。
自分の痛みが関節からくるのか、筋肉からくるのかを意識することも、適切な漢方薬選びに役立ちます。
継続しやすい価格や剤形を選ぶ
漢方薬は、体質改善を目的として服用するため、ある程度の期間継続することが一般的です。
そのため、無理なく続けられる製品を選びましょう。
漢方薬には、生薬を煮出して服用する伝統的な煎じ薬のほか、エキスを抽出して作られた顆粒や錠剤といった剤形があります。
エキス剤は味やにおいが少なく、持ち運びにも便利なため、初めての方でも服用しやすいのが特徴です。
薬局やドラッグストアのほか、通販でも購入できるため、自身のライフスタイルに合わせて継続しやすいものを選ぶことが大切です。
【症状・体質別】腰痛に効果が期待できる漢方薬
腰痛と一言でいっても、その原因や付随する症状は人によって大きく異なります。
そのため、漢方では一人ひとりの状態に合わせて、最適な漢方薬を選びます。
ここでは、具体的な症状や体質別に、腰痛改善に役立つ代表的なお薬を紹介します。
足腰の冷えやだるさ、しびれを伴う痛み、加齢による慢性痛など、自分の悩みに近い項目を参考に、漢方薬選びに役立ててください。
足腰の冷えやだるさが気になる方向けの漢方薬
体力がなく、特に下半身の冷えが顕著で、腰から足にかけて重だるい痛みを感じる場合には、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」が適しています。
この漢方薬は、体を芯から温めて血行を促進する働きに優れており、手足の末端まで血流を届けることで冷えを改善します。
冬場や冷房の効いた環境で腰痛が悪化しやすい方や、しもやけができやすいといった体質の方に用いられることが多い処方です。
血行を改善することで、冷えに伴う腰のだるさや痛みを和らげる効果が期待できます。
しびれを伴う神経痛や関節痛向けの漢方薬
腰から足にかけてのしびれや、ズキズキとした痛みを伴う神経痛には、「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」が用いられます。
この漢方薬は、滞った血の流れをスムーズにし、体内の余分な水分の排出を促すことで、痛みやしびれを和らげる効果が期待できます。
坐骨神経痛や椎間板ヘルニアによる腰痛、変形性膝関節症など、関節の痛みにも使われる漢方薬として知られています。
特に、雨の日や湿度の高い日に症状が悪化するタイプの方や、筋肉のこわばりを感じる方に適しています。
血行不良によるズキズキとした痛み向けの漢方薬
血行不良が原因で起こる針で刺すような鋭い痛みには桂枝茯苓丸が適しています。
この漢方薬は滞った血液の流れを改善する作用があり、腰痛のほか肩こりや頭痛、生理痛や生理不順といった女性特有の悩みにも広く用いられます。
比較的体力があり顔はのぼせるのに足は冷えるといった症状を持つ方に適している漢方薬です。
下腹部を押すと抵抗感や痛みがある場合もこの漢方薬が合うサインの一つとされています。
加齢による慢性的な腰痛や足腰の衰え向けの漢方薬
加齢に伴う足腰の衰えや、それに伴う慢性的な腰痛には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が代表的な漢方薬です。
生命エネルギーを蓄える「腎」の働きを補い、体を温めることで、高齢者によく見られる腰痛、足のしびれ、頻尿、かすみ目などの症状を改善します。
さらに、八味地黄丸に2種類の生薬を加えた「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」は、腰痛やしびれに加えて足のむくみが強い場合に用いられます。
ぎっくり腰など急な筋肉のけいれんを伴う痛み向けの漢方薬
ぎっくり腰のように、急な筋肉のけいれんによって引き起こされる激しい痛みには、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が有効です。
この漢方薬は、筋肉の異常な緊張を速やかに緩和する作用があり、即効性が期待できます。
腰痛だけでなく、こむら返りや生理痛、胆石による腹痛など、筋肉のけいれんが原因となるさまざまな痛みに応用される処方です。
また、打撲による痛みに用いられる「治打撲一方(ヂダボクイッポウ)」も、ぎっくり腰のような急性の強い痛みに選ばれることがあります。
手足の末端が冷えやすい方の腰痛向けの漢方薬
体力がなく貧血気味で、特に手足の先が冷えやすい方の腰痛には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が適しています。
この漢方薬は、血行を促進して体を温めると同時に、不足している血を補い、体内の水分バランスを整える作用があります。
冷えからくる腰痛のほか、むくみ、めまい、立ちくらみ、月経不順といった症状の改善にも効果が期待できます。
特に女性に用いられることが多く、産前産後の不調や更年期障害などにも幅広く応用される漢方薬です。
薬局やドラッグストアで購入できる市販の漢方薬
腰痛に効果のある漢方薬は、病院で処方してもらう医療用医薬品だけでなく、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬も多数存在します。
ツムラやクラシエといった大手メーカーから、さまざまな種類の漢方薬が販売されており、専門家のアドバイスを受けながら選ぶことが可能です。
市販薬は、医療用と同一の処方名であっても、含まれる生薬の量が調整されている場合がありますが、手軽に試せるという大きなメリットがあります。
まずは市販の製品から試してみたいという方は、薬剤師や登録販売者に症状を相談してみましょう。
漢方薬を服用する前に知っておきたい注意点
漢方薬は自然由来の生薬から作られており、比較的安全性が高いイメージがありますが、医薬品であることに変わりはありません。
体質に合わなかったり、誤った使い方をしたりすると、副作用が起こる可能性もあります。
服用を開始して1週間ほど様子を見ても症状が改善しない場合や、かえって体調が悪化した際には、漫然と服用を続けるのではなく、医師や薬剤師などの専門家に相談することが不可欠です。
服用を始める前に、注意点をしっかり確認しておきましょう。
副作用のリスクと服用に注意が必要なケース
漢方薬でも、体質に合わない場合は副作用が起こる可能性があります。
主な症状としては、食欲不振、胃の不快感、下痢、便秘、発疹、かゆみなどが挙げられます。
また、甘草(カンゾウ)という生薬を過剰に摂取すると、偽アルドステロン症という副作用(むくみ、血圧上昇、手足の脱力感など)を引き起こすことがあります。
高血圧や心臓病、腎臓病などの持病がある方や、他の薬を服用している方は、飲み合わせによって症状が悪化するリスクもあるため、服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
妊娠中や授乳中の服用は可能か
妊娠中や授乳中の漢方薬の服用は自己判断で行うべきではありません。
漢方薬に含まれる生薬の中には子宮の収縮を促す作用を持つものや胎児への影響が懸念されるものが存在します。
また授乳中においては一部の成分が母乳へ移行する可能性も否定できません。
安全性が確立されていない生薬も多いため、妊婦の方や妊娠の可能性がある方授乳中の方が、腰痛で漢方薬の服用を希望する場合は、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談しその指示に従うようにしてください。
改善が見られない場合に病院へ行くべき症状
漢方薬を一定期間服用しても痛みが改善しない、あるいは悪化していく場合には、整形外科などの医療機関を受診してください。
特に、足のしびれや麻痺が伴う、排尿や排便に障害が出た、じっとしていても激しく痛むといった症状は、重篤な病気が隠れているサインかもしれません。
市販の塗り薬や湿布薬で一時的に痛みが和らいでも、根本的な原因が解決しないこともあります。
これらの症状が見られる場合は、自己判断で様子を見ずに、速やかに専門医の診察を受けることが重要です。
まとめ
腰痛の改善において、漢方薬は体質から根本的に見直すための有力な手段となり得ます。
重要なのは、体力や体質、痛みの種類など、自身の状態を正しく把握し、それに合った漢方薬を選ぶことです。
市販薬も豊富にありますが、選択に迷う場合や、服用しても改善が見られない場合は、医師や薬剤師といった専門家に相談しましょう。
西洋医学的な治療と漢方薬を組み合わせることも可能ですので、専門家のアドバイスを参考にしながら、上手に日々のケアに取り入れてみてください。
