冷え性は不妊の原因?関係性と今日からできる改善方法を解説 | 不妊・妊活の漢方薬局【岡山】 | 福神トシモリ薬局(オンライン相談可)

冷え性は不妊の原因?関係性と今日からできる改善方法を解説
冷え性と不妊症の直接的な因果関係は医学的に証明されていません。
しかし、体が冷えることで血行が悪化し、結果として妊娠しにくい体質につながる可能性は指摘されています。
冷えは、卵巣や子宮の機能低下やホルモンバランスの乱れを招く一因となるため、妊活において見過ごせない問題です。
この記事では、冷えと不妊の関係について解説し、妊娠しやすい体質を目指すための具体的な改善方法を紹介します。
冷えが不妊の原因ではないかと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ「体の冷え」が妊娠しにくさにつながるのか?
体が冷えると、全身の血流が悪化します。
特に、子宮や卵巣といった骨盤内の臓器は血行不良の影響を受けやすい部分です。
血液は、臓器に必要な酸素や栄養素を運び、老廃物を排出する重要な役割を担っています。
そのため、血行が悪くなると卵巣の機能が低下し、質の良い卵子が育ちにくくなる可能性があります。
また、子宮への血流が不足すると、子宮内膜が十分に厚くならず、受精卵が着床しにくい環境になってしまうことも考えられます。
さらに、血行不良はホルモンバランスの乱れを引き起こす原因にもなり、排卵障害などを招くこともあります。
これらの要因が複合的に絡み合い、妊娠しにくさにつながるとされています。
あなたの冷えはどのタイプ?セルフチェックで確認しよう
一口に「冷え性」といっても、その原因や症状の現れ方によっていくつかのタイプに分類されます。
自分の冷えがどのタイプなのかを把握することで、より効果的な対策をとることが可能です。
例えば、手足の先だけが冷たいのか、それともお腹や下半身など体の中心部が冷えているのかによって、アプローチの方法も変わってきます。
ここでは代表的な3つのタイプを紹介するので、ご自身の症状と照らし合わせて、どのタイプに当てはまるかセルフチェックしてみましょう。
手足の先が冷える「末端冷え性」
末端冷え性は、体は温かいのに手足の先だけが氷のように冷たくなる症状が特徴です。
これは、食事量の不足や運動不足によって体内で作り出される熱エネルギーが少ないために起こります。
熱が十分に作られないと、体は生命維持に重要な内臓が集まる中心部に熱を集めようと働き、手足の末端にある血管を収縮させます。
その結果、温かい血液が手足の先まで届きにくくなり、冷えを感じるのです。
特に、食事制限によるダイエットをしている人や、筋肉量が少ない痩せ型の若い女性に多く見られるタイプの冷え性です。
お腹を触ると冷たい「内臓冷え性」
内臓冷え性は、手足は温かいのに、お腹を触るとひんやりと冷たいのが特徴です。
自覚症状が少ないため、気づきにくいタイプの冷え性ともいえます。
主な原因は、ストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れです。
自律神経が乱れると、内臓の働きをコントロールする機能が低下し、血流が悪化します。
その結果、内臓の温度が下がり、胃腸の不調や下痢、便秘などを引き起こしやすくなります。
内臓の機能が低下すると、体全体のエネルギー代謝も悪くなるため、疲れやすさやだるさを感じることもあります。
上半身は温かいのに脚が冷たい「下半身冷え性」
下半身冷え性は、上半身は汗ばむほどぼせているのに、お尻や太もも、足先は冷たいという状態です。
特に長時間のデスクワークなどで同じ姿勢を続けることが多い人に多く見られます。
座ったままの姿勢が続くと、骨盤周りの筋肉が緊張して硬くなり、下半身への血流が圧迫されて滞りやすくなります。
その結果、温かい血液が上半身に集中し、下半身は冷えてしまうのです。
また、加齢による筋力の低下や骨盤の歪みも原因の一つと考えられています。
腰痛や足のむくみ、生理痛の悪化といった症状を伴うこともあります。
妊娠しやすい体質へ!今日から始められる冷え性改善策
冷え性の改善は、妊娠しやすい体質づくりへの第一歩です。
特別なことを始める必要はなく、日々の生活習慣を少し見直すだけで、体の冷えは大きく変わる可能性があります。
食事や運動、入浴といった基本的な生活習慣を整えることが、血行を促進し、体を内側から温めることにつながります。
ここでは、誰でも今日からすぐに実践できる具体的な冷え性改善策を紹介しますので、ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく取り入れてみてください。
体を内側から温める!食生活の見直しポイント
体を温めるためには、食事の内容を見直すことが基本です。
食材には体を温める性質のものと冷やす性質のものがあります。
生姜やネギ、ニンニクなどの薬味や、ゴボウや人参などの根菜類は体を温める作用が期待できます。
一方、トマトやキュウリなどの夏野菜や、南国の果物は体を冷やす傾向があるため、摂りすぎには注意が必要です。
また、冷たい飲み物や食べ物は内臓を直接冷やしてしまうので、できるだけ温かいものを選びましょう。
熱を生み出す源となるタンパク質や、血行を促進するビタミンEなどを意識的に摂取し、栄養バランスの取れた食事を1日3食きちんと摂ることが、熱を生み出しやすい体づくりの基礎となります。
血行を促進する適度な運動を毎日の習慣に
運動不足は、筋肉量の低下を招き、体内で熱を生み出す力を弱めてしまいます。
熱を生み出す体の部位の約6割は筋肉であるため、筋肉量を増やすことは冷え性改善に非常に効果的です。
ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられる軽い運動を毎日の習慣にしましょう。
特に、体の筋肉の約7割が集中している下半身を鍛えるのがおすすめです。
スクワットなどの運動は、太ももやお尻の大きな筋肉を効率よく刺激し、全身の血行を促進します。
エレベーターを階段にする、一駅手前で降りて歩くなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすことから始めてみましょう。
シャワーで済ませず湯船に浸かる!効果的な入浴方法
忙しいとシャワーだけで済ませてしまいがちですが、冷え性改善のためには湯船に浸かる習慣が重要です。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に、20分以上ゆっくりと浸かることで、体の表面だけでなく芯からじっくりと温めることができます。
これにより全身の血行が促進され、温かさが持続しやすくなります。
また、湯船に浸かることは、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にする効果も期待できます。
血行不良の原因となるストレスの緩和にもつながるため、質の良い睡眠を得るためにも効果的です。
血行促進効果のある炭酸ガス系の入浴剤などを活用するのも良いでしょう。
「3つの首」を重点的に温める服装の工夫
体を効率よく温めるには、「首」「手首」「足首」の3つの首を冷やさないことがポイントです。
これらの部位は皮膚が薄く、太い動脈が体の表面近くを通っているため、外気の影響を受けやすく、冷えやすい特徴があります。
逆に言えば、この3つの首を温めることで、そこを通過する血液が温められ、その温かい血液が全身を巡るため、効率的に体全体を温めることが可能です。
外出時にはマフラーやネックウォーマー、手袋、レッグウォーマーなどを活用しましょう。
夏場でも、冷房が効いた室内ではカーディガンやストール、靴下を着用するなどして、3つの首を冷気から守る工夫を心がけてください。
カイロや腹巻を活用してお腹周りを温める
特に内臓型や下半身型の冷えを感じる場合、腹巻やカイロを使ってお腹周りを直接温めるのが効果的です。
お腹には、子宮や卵巣といった妊娠に深く関わる大切な臓器が集まっています。
この部分を温めることで骨盤内の血流が促進され、臓器の働きをサポートすることにつながります。
カイロを貼る際は、下腹部だけでなく、お尻の割れ目の少し上にある「仙骨」という骨の周りを温めるのもおすすめです。
仙骨の周りには子宮や卵巣につながる神経や血管が集中しているため、ここを温めることで骨盤内全体の血行改善が期待できます。
低温やけどを防ぐため、カイロは肌に直接貼らず、下着や服の上から使用しましょう。
自律神経を整えるリラックスタイムの作り方
過度なストレスは、自律神経のバランスを乱す大きな原因となります。
自律神経のうち、体を緊張させる交感神経が優位になると血管が収縮し、血行不良を引き起こしてしまいます。
そのため、意識的にリラックスする時間を作り、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にすることが大切です。
就寝前にスマートフォンの画面を見るのをやめ、温かいハーブティーを飲んだり、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたりするなど、自分が心からくつろげる時間を作りましょう。
また、ゆっくりとした腹式呼吸を意識するだけでも、副交感神経が優位になりやすいです。
質の高い睡眠を確保することも、自律神経を整える上で非常に重要となります。
セルフケアで改善しない場合は漢方薬も選択肢に
食事や運動などのセルフケアを続けてもなかなか冷えが改善しない場合、漢方薬を取り入れるのも一つの方法です。
漢方医学では、冷えを「気」「血」「水」のバランスの乱れと捉え、個人の体質や症状に合わせたオーダーメイドの薬の選択を行います。
漢方薬は、単に体を温めるだけでなく、血行を促進したり、熱を生み出す力を補ったり、自律神経のバランスを整えたりと、根本的な体質改善を目指すものです。
最近では、不妊治療に漢方を併用する婦人科やクリニックも増えています。
自己判断で選ぶのではなく、必ず医師や薬剤師などの専門家に相談し、自分の体質に合った漢方を選んでもらうことが大切です。
まとめ
冷え性は不妊症の直接的な原因ではありませんが、血行不良やホルモンバランスの乱れを招き、妊娠しにくい体質の一因となる可能性があります。
日々の食事や運動、入浴といった生活習慣を見直して体を温めることは、妊娠しやすい体づくりにつながります。
ただし、不妊の原因は女性側だけでなく、男性側に起因する場合も少なくありません。
もし妊活がうまくいかない場合は、一人で抱え込まず、パートナーと一緒に不妊治療の専門クリニックを受診し、検査を受けてみることが大切です。
専門家のアドバイスを受けながら、ご自身の体と向き合っていきましょう。