三七人参(田七人参)とは?はたらきや高麗人参との違いを解説
漢方
「三七人参」と「田七人参」、二つの名前を目にして、同じものなのか、それとも違いがあるのかと疑問に思ったことはありませんか。
また、高麗人参との効能の違いがわからず、どちらが自分の悩みに合っているのか迷うこともあるかもしれません。
この記事では、三七人参(田七人参)とは何かという基本から、その成分、期待されるはたらき、副作用までを詳しく解説します。
読み終える頃には、ご自身の体調改善に役立つか、またどの製品を選ぶべきかを判断できるようになるでしょう。
▼この記事でわかること
・ 高麗人参との違いと、自分の悩みに応じた選び方
・ 血流改善など三七人参に期待できる主なはたらき
・ 品質や安全性を見極めて製品を選ぶためのポイント
・ 副作用のリスクを避けて安全に摂取するための注意点
三七人参と田七人参は呼び方が違うだけで同じもの
三七人参(さんしちにんじん)と田七人参(でんしちにんじん)とは、呼び方が異なるだけで、植物学的には同じウコギ科の植物を指します。
どちらの名称で呼ばれていても、そのもの自体に違いはありません。
中国の雲南省の文山が主産地で、古くから健康維持のために重宝されてきました。
東洋医学の世界では、体の巡りを整える生薬として知られています。
この植物がなぜ複数の名前を持つのか、その背景には歴史的な理由や植物の特性が関係しています。
なぜ複数の呼び名があるの?その由来を解説
三七人参や田七人参に複数の呼び名が存在するのには、いくつかの説があります。
「三七人参」という名前の由来とは、一つには種を植えてから収穫するまでに3年から7年もの歳月を要するためという説。
また、茎から伸びる葉が3つと4つに分かれていることから「三七」と名付けられたという説もあります。
「田七人参」の呼び名は、かつて中国で「田」という姓の一族が栽培の秘法を独占し、門外不出としていたことに由来すると言われています。
このように、その栽培年数や形状、歴史的背景から複数の名前で呼ばれるようになりました。
希少価値の高さから「金不換」とも呼ばれる理由
三七人参が「金不換(きんふかん)」、つまり「金銭とは交換できないほど価値があるもの」と称される理由とは、その栽培の難しさと収穫までに要する年月にあります。
三七人参は、特定の気候や土壌でしか育たず、直射日光に弱いなど非常にデリケートな植物です。
一度収穫した土地では、その後10年以上も作付けができないと言われるほど土壌の養分を吸い尽くしてしまうため、安定した供給が難しいのです。
こうした希少性の高さから、古来より非常に貴重な生薬として扱われ、「金不換」という別名で呼ばれるようになりました。
【比較】三七人参と高麗人参(朝鮮人参)はどちらを選ぶべき?
三七人参と高麗人参(朝鮮人参)は、どちらもウコギ科に属する近しい植物ですが、その働きかける対象や得意分野が異なります。
東洋医学の観点では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素で構成されると考えます。
この考え方に基づくと、両者の違いが非常に分かりやすくなります。
三七人参は主に「血」の巡りに、高麗人参は「気」、つまり生命エネルギーそのものに働きかけるとされ、どちらを選ぶべきかはお悩みの根本原因によって変わるのです。
ここでは、それぞれの効能や成分の違いを比較し、選び方のポイントを解説します。
期待できる効能の違い:血流改善 vs 滋養強壮
三七人参と高麗人参の最も大きな違いは、その働きかける対象にあります。
三七人参は「止血と活血」の作用を併せ持ち、東洋医学でいう「瘀血」、つまり血液の滞りを改善し、巡りをスムーズにすることを得意とします。
一方、高麗人参は「補気」の代表的な生薬で、元気やエネルギーである「気」を補う働きが中心です。
そのため、滋養強壮や疲労回復、体力をつけたい場合に用いられることが多いのが特徴です。
血流や生活習慣の乱れが気になる場合は三七人参、慢性的な疲労感や気力不足を感じる場合は高麗人参が適していると言えるでしょう。
主要成分の違い:サポニンの種類と含有量
サポニンとは、植物に含まれる配糖体の一種で、健康維持に役立つとされる成分です。
三七人参と高麗人参は、どちらもこのサポニンを豊富に含みますが、その種類や含有量に違いが見られます。
三七人参には、ジンセノシドRb1やRg1といった種類のサポニンが多く含まれており、その総量は高麗人参の数倍から7倍にもなると言われています。
特に血流へのアプローチを得意とする成分が豊富です。
一方、高麗人参にも特有のジンセノシドが含まれており、これらが元気や活力をサポートする働きを担っています。
このサポニンの質と量の違いが、両者の効能の違いを生み出す大きな要因となっています。
体の悩みに合わせた選び方のポイント
三七人参と高麗人参のどちらを選ぶかは、ご自身の体の悩みに合わせるのが基本です。
例えば、健康診断の数値が気になる、肩こりや頭痛など血の巡りの悪さが原因と思われる不調がある、生活習慣を整えたいという方には、三七人参が向いています。
一方、慢性的に疲れやすい、気力や体力が落ちてきた、風邪をひきやすい、胃腸が弱いといった「気」の不足が考えられる症状には、高麗人参がおすすめです。
まずは自分の体が「血」と「気」のどちらのサポートを必要としているのかを見極めることが、適切な選択につながります。
三七人参(田七人参)に期待される5つの主な効果効能
三七人参(田七人参)とは、古くから中国で重宝されてきた伝統的な生薬であり、その働きは多岐にわたります。
主成分であるサポニンをはじめ、デンシチン、有機ゲルマニウム、フラボノイド、鉄分など、健康をサポートする多様な栄養素を含んでいるのが特徴です。
特に東洋医学では「血」に関する悩みに用いられることが多く、現代においてもその働きが注目されています。
ここでは、三七人参に期待される代表的な5つのはたらきについて、具体的に解説していきます。
1. 血液の流れをスムーズにサポートする働き
三七人参の最も代表的な働きが、血液の流れ、すなわち血流をサポートすることです。
主成分であるサポニンには、血液の粘度を調整し、流れをスムーズにする働きが期待されます。
東洋医学では、体の不調の多くは血の滞りである「瘀血」が原因と考えることがあります。
三七人参は、この瘀血の状態を改善に導くことで、肩こりや頭痛、冷えといった血行不良による様々な悩みの緩和を助けます。
体の隅々まで栄養や酸素を届けるサポート役として、重要な役割を担うのです。
子宮筋腫と漢方の関連については「子宮筋腫に漢方という選択肢」で詳しく紹介しています。
2. 生活習慣の乱れが気になる方の健康維持
食生活の乱れや運動不足など、現代人に多い生活習慣の悩みに対しても、三七人参は良いサポート役となります。
三七人参に含まれるサポニンには、血液中の中性脂肪やコレステロールのバランスを整える働きや、血糖値の上昇を穏やかにする働きが報告されています。
これらの働きにより、乱れがちな食生活を送っている方や、健康診断の数値が気になる方の健康維持を助けます。
日々の生活に三七人参を取り入れることで、健やかな毎日を目指すことができるでしょう。
3. 肝臓の健康をサポートする働き
「沈黙の臓器」とも呼ばれる肝臓は、ダメージを受けても自覚症状が出にくいことで知られています。
三七人参に含まれる成分は、この肝臓を保護し、その働きをサポートすることが期待されています。
研究では、肝細胞の修復を助けたり、アルコールの分解を促進したりする可能性が示唆されており、お酒を飲む機会が多い方や、肝機能の数値が気になる方の健康管理に役立ちます。
定期的なケアが大切な肝臓にとって、心強い味方となってくれるでしょう。
4. 止血作用と傷の回復サポート
三七人参は古来、戦場で止血薬として用いられてきた歴史があります。
その名前の由来の一つに、外傷による出血を止める働きが挙げられるほどです。
この止血作用を担っているのが、「デンシチン」という特有のアミノ酸です。
デンシチンには血液を凝固させる時間を短縮する働きがあり、出血を素早く止めるのに役立ちます。
また、血流を改善する働きと相まって、傷ついた組織の修復を助け、回復をサポートする効果も期待されています。
不正出血と漢方の関連については「不正出血(不正性器出血)と漢方」で詳しく紹介しています。
5. 美容とエイジングケアへの貢献
三七人参の血流サポート機能は、美容やエイジングケアの面でも注目されています。
血液の流れがスムーズになることで、肌の隅々にまで栄養と酸素が行き渡り、くすみやシミの改善、肌のトーンアップが期待できます。
また、三七人参には抗酸化作用を持つ成分も含まれており、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ手助けをします。
内側から体を整えることで、若々しく健やかな肌や体を維持するためのサポート役となるでしょう。
購入前に知っておきたい三七人参(田七人参)の選び方
三七人参の効果を実感するためには、質の良い製品を選ぶことが非常に重要です。
市場には様々な種類の三七人参製品があふれており、どれを選べばよいか迷ってしまう方も少なくありません。
品質を見極める指標となる「等級(頭数)」や、飲みやすさに関わる形状の種類、そして安全性の証である有機認証など、購入前に知っておくべきポイントがいくつかあります。
これらの選び方の基準を理解することで、ご自身の目的やライフスタイルに合った、最適な三七人参を見つけることができるでしょう。
品質を見極める重要な指標「等級(頭数)」とは?
三七人参の品質を見極める上で最も重要な指標が「等級(頭数)」です。
頭数(とうすう)とは、一斤(いっきん)と呼ばれる中国の重さの単位、約500gあたりに何個の三七人参の根が含まれるかを示すものです。
例えば「10頭」であれば500gあたり10個、「30頭」であれば30個の根が入っていることを意味します。
数が少ないほど、一つ一つの根が大きく、重く、成熟している証拠です。
一般的に、大きく育ったものほどサポニンなどの有効成分が豊富に含まれているため、「頭数」の数字が小さい製品ほど高品質であると評価されます。
続けやすさで選ぶ|粉末・粒・カプセルの種類と特徴
三七人参は毎日続けることが大切なので、ご自身が最も続けやすい形状を選ぶこともポイントです。
主な形状には「粉末」「粒(錠剤)」「カプセル」の3種類があります。
粉末タイプ:吸収が速いのがメリットですが、土のような独特の味と香りがあります。
お湯に溶かして飲んだり、料理に加えたりするのに向いています。
粒タイプ:味や香りが気にならず、手軽に水で飲めるため最も一般的です。
持ち運びにも便利で、外出先でも摂取しやすいのが特徴です。
カプセルタイプ:粉末をカプセルに詰めたもので、味や香りが気になりません。
粉末の摂取に抵抗がある方におすすめです。
安全性を確認するJAS有機認証の有無
JAS有機認証とは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然の力で生産された食品であることを農林水産省が証明する制度です。
三七人参は根を丸ごと粉末や錠剤にして摂取するため、栽培に使われる土壌の安全性が非常に重要になります。
残留農薬などの心配がなく、安心して摂取するためには、この有機JAS認証を取得している製品を選ぶのがおすすめです。
または、重金属を含まないという検査済みの無公害グレードの製品を選ぶと良いでしょう。
パッケージにJASマークが付いているかどうかを確認することで、厳しい基準をクリアした安全な製品かどうかを簡単に見分けることができます。
副作用はある?三七人参(田七人参)を摂取する際の注意点
三七人参(田七人参)とは、古くから利用されてきた比較的安全性の高い生薬ですが、摂取する際にはいくつか注意すべき点があります。
医薬品ではないため重篤な副作用の心配は少ないとされていますが、体質や摂取量によっては体に合わない場合も考えられます。
特に、過剰に摂取した場合のリスクや、特定の状況下での摂取については、事前に正しい知識を持っておくことが大切です。
ここでは、三七人参を安全に、そして効果的に活用するために知っておきたい注意点を解説します。
過剰摂取による副作用のリスク
三七人参は基本的に安全な食品ですが、どんな健康食品でも過剰に摂取すれば体に負担をかける可能性があります。
推奨される摂取量を大幅に超えて飲み続けると、のぼせ、動悸、頭痛、不眠、口の渇きといった症状が現れることがあります。
これは、血流を促進する働きが過剰に作用した結果と考えられるものです。
製品に記載されている一日の摂取目安量を必ず守り、自己判断で量を増やさないようにすることが重要です。
もし体調に異変を感じた場合は、すぐに摂取を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
妊娠中や授乳中の摂取について
妊娠中や授乳中は、お母さんの体が非常にデリケートな時期であり、摂取したものすべてが胎児や赤ちゃんに影響を与える可能性があります。
三七人参には血流に働きかける作用があるため、妊娠中の摂取は安全性が確立されていません。
どうしても摂取したい場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの産婦人科医や専門家に相談し、その指示に従うようにしてください。
持病や服用中の薬がある場合の注意点
何らかの持病がある方や、日常的に薬を服用している方は、三七人参を摂取する前に必ず医師や薬剤師に相談が必要です。
特に、血液をサラサラにする薬である抗凝固薬(ワーファリンなど)や抗血小板薬を服用している場合、三七人参の血流促進作用が薬の効果を増強させてしまう恐れがあります。
その結果、出血しやすくなるなどのリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
安全に利用するためにも、専門家への相談を欠かさないようにしましょう。
効果的な飲み方とタイミングの目安
三七人参を飲むタイミングに厳密な決まりはありませんが、一般的には胃に食べ物が入っていない食前や食間の空腹時に飲むと、成分の吸収効率が良いとされています。
ただし、胃腸が弱い方は、空腹時の摂取で胃に不快感を覚えることもあるため、その場合は食後に飲むのがおすすめです。
タイミングよりも大切なのは、毎日忘れずに継続することです。
朝食後や就寝前など、ご自身の生活リズムの中で続けやすい時間を見つけて習慣化することが、効果を実感するための鍵となります。
三七人参(田七人参)に関するよくある質問
ここまで三七人参の基本情報や選び方、注意点について解説してきましたが、まだ疑問に思う点もあるかもしれません。
ここでは、お客様から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
購入を検討する際の最終的な判断材料として、ぜひ参考にしてください。
三七人参と高麗人参は、どちらがどんな人におすすめですか?
血流の滞りが気になる方や生活習慣を整えたい方には三七人参がおすすめです。
一方、高麗人参は慢性的な疲労感があり、元気や活力を補いたい方に適しています。
東洋医学では三七人参は「血」、高麗人参は「気」に働きかけるとされ、お悩みの根本原因に合わせて選ぶことが大切です。
三七人参はいつ飲むのが最も効果的ですか?
成分の吸収効率を考えると、食前や食間の空腹時に飲むのがおすすめです。
ただし、胃腸が弱い方は食後に飲むなど、ご自身の体調に合わせて調整してください。
飲むタイミングよりも、毎日忘れずに継続することのほうがより重要です。
生活スタイルに合わせて習慣化しやすい時間を見つけましょう。
三七人参の品質は「頭数」だけで決まるのですか?
頭数は非常に重要な品質指標ですが、それだけで全てが決まるわけではありません。
農薬や化学肥料を使わずに栽培されたことを示す有機JAS認証の有無や、添加物を含まないかどうかも大切なポイントです。品質については、有機の他には、重金属を含まないという検査済みの無公害グレードの製品を選ぶと良いでしょう。
これらを総合的に見て判断することが、質の高い製品選びにつながります。
まとめ
本記事では、三七人参(田七人参)について、その正体から高麗人参との違い、期待される効能、そして安全な選び方や摂取方法までを解説しました。
三七人参は主に「血」の巡りに、高麗人参は「気」という生命エネルギーに働きかけるという違いがあります。
製品を選ぶ際には、品質の指標となる「頭数」や安全性の証である「有機JAS認証」「無公害グレード」の有無を確認し、ご自身が続けやすい形状(粉末、粒、カプセル)を選ぶことが大切です。
また、摂取する際は目安量を守り、持病のある方や薬を服用中の方は専門家への相談が必要です。


