いぼ痔の漢方薬「乙字湯」は市販で買える?効果と選び方について

いぼ痔の漢方薬「乙字湯」は市販で買える?効果と選び方について 漢方

いぼ痔の改善には、手術や塗り薬だけでなく、体の内側からアプローチする漢方薬という選択肢があります。
漢方薬は、痔の原因となる体質そのものに働きかけることを目的としており、市販薬も販売されています。

特に「乙字湯」は、いぼ痔の漢方薬として広く知られており、ドラッグストアなどで漢方薬メーカーのクラシエをはじめとする複数のメーカーから販売されています。
この記事では、乙字湯が持つ効果や、症状・体質に合わせた漢方薬の選び方について詳しく解説します。

漢方薬でいぼ痔を内側から改善!塗り薬とのアプローチの違い

いぼ痔の改善において、塗り薬は患部の炎症や痛みを直接抑える対症療法が中心です。
一方、漢方薬は血行不良や便秘といった、いぼ痔の根本原因となる体質にアプローチします。
例えば、肛門周辺の血流を改善したり、便通を整えたりすることで、痔の症状を和らげ、再発しにくい体づくりを目指します。

特に、肛門の内側にできる内痔は、直接薬を塗りにくいため、体の内側から働きかける漢方薬が有効な選択肢の一つとなります。

いぼ痔の漢方薬といえば「乙字湯」!その3つの効果を解説

いぼ痔の治療に用いられる漢方薬として、最も代表的なものが「乙字湯」です。
江戸時代の医師が考案した漢方薬で、痔の改善薬として長年使用されてきました。

乙字湯は、複数の生薬を組み合わせることで、いぼ痔のさまざまな症状に多角的にアプローチします。
その主な効果は、炎症を鎮める作用、血流を改善する作用、そして便通を整える作用の3つです。
これらの相乗効果により、いぼ痔の痛みや腫れ、出血といった不快な症状を和らげます。

効果①:患部の炎症や痛みを鎮める

乙字湯が持つ一つ目の効果は、患部の炎症や痛みを鎮める作用です。
この漢方薬には、炎症を抑える働きを持つ「サイコ」や「オウゴン」といった生薬が含まれています。
これらの生薬が、いぼ痔による肛門周りの熱感や腫れ、痛みを和らげます。

「ショウマ」には、内臓を正しい位置に保つ働きがあり、脱肛(いぼが肛門の外に出てしまう状態)の改善を助ける効果も期待されます。
このように、複数の生薬が協力して、痔の炎症によるつらい症状を緩和へと導きます。

効果②:うっ血を改善し血の巡りを良くする

いぼ痔の大きな原因の一つが、肛門周辺のうっ血、つまり血の巡りが悪くなることです。
乙字湯には、血行を促進する効果を持つ「トウキ」という生薬が配合されています。
トウキの働きにより、肛門周辺の滞った血液の流れがスムーズになり、うっ血が改善されます。

この効果によって、いぼ痔の腫れが引き、症状が和らぎます。
血流を正常に保つことは、痔の根本的な改善と再発予防において非常に重要であり、乙字湯が持つ重要な作用の一つです。

効果③:便通を整えて排便時の負担を軽減する

硬い便や便秘は排便時に肛門に大きな負担をかけいぼ痔を悪化させる原因となります。

乙字湯には穏やかな便通促進作用を持つダイオウが含まれておりこの生薬の効果によって便が柔らかくなり排便がスムーズになります。

便通が整うことで排便時のいきみや肛門への圧力が軽減され痛みや出血のリスクが減少します。このように便の状態を改善することも乙字湯がいぼ痔の改善に効果的とされる理由の一つです。

市販で購入できる「クラシエ」の乙字湯の特徴

乙字湯は医療用だけでなく、市販薬としても販売されており、中でもクラシエの製品は広く知られています。
クラシエの乙字湯は、ドラッグストアや薬局で手軽に購入できるのが大きな特徴です。

製品形態には、水に溶かして飲む顆粒タイプや、手軽に服用できる錠剤タイプなどがあり、ライフスタイルに合わせて選べます。医療機関で処方されるものと同じ有効成分を含んでおり、いぼ痔の痛み、出血、腫れ、かゆみといった症状を緩和する効果が期待できます。病院に行く時間がない方や、まずは市販薬で試してみたいという方にとって、便利な選択肢です。

【症状・体質別】あなたに合ういぼ痔漢方薬の選び方

いぼ痔の改善におすすめの漢方薬は乙字湯だけではありません。
漢方ではその人の体力や体質、便の状態、出血の有無といった「証」に合わせて処方を使い分けることが重要です。
例えば体力があって便秘がちなのか、それとも体力がなく冷えやすいのかによって適した漢方薬は異なります。
自分の症状や体質を正しく理解しそれに合った漢方薬を選ぶことでより高い効果が期待できます。

ここでは代表的な症状・体質別に適した漢方薬を紹介します。

体力があり便秘がちで出血がある方には「桃核承気湯」

比較的体力があり、のぼせやすく、便秘がちな方のいぼ痔には「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」が適しています。
この漢方薬は、血の巡りを改善する作用が強く、下腹部の抵抗感や圧痛を伴うような、がっしりとした体格の方の便秘によく用いられます。

滞った血(瘀血)を取り除き、便通を促すことで、肛門周辺のうっ血を解消し、いぼ痔の症状を和らげます。
特に、硬い便による排便時の出血や痛みを伴う場合に効果が期待できる漢方薬です。

体力がなく冷えや貧血が見られる方には「芎帰膠艾湯」

体力がなく疲れやすい、冷え性で貧血気味といった虚弱体質(虚証)の方の痔の出血には、「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」が用いられます。
この漢方薬は、体を温めながら血を補い、出血を止める作用(止血作用)があるのが特徴です。
いぼ痔や切れ痔による出血が長引く場合に適しており、貧血症状の改善も期待できます。

体力が充実している方には向かないため、自分の体質を見極めて選ぶことが重要です。
冷えによる下腹部痛や、月経トラブルを伴う場合にも応用される漢方薬です。

コロコロした硬い便でお悩みの方には「麻子仁丸」

便が硬く、ウサギの糞のようにコロコロしている状態の便秘に伴ういぼ痔には、「麻子仁丸(ましにんがん)」が適しています。
この漢方薬は、腸を潤す作用のある「麻子仁」を主成分とし、硬くなった便に水分を与えて柔らかくし、自然に近いお通じを促します。

体力が低下している高齢者や、体の水分が不足しがちな方の便秘に特に効果的です。
便を無理やり出すのではなく、腸内環境を整えながら穏やかに作用するため、体に負担をかけにくいのが特徴の漢方薬です。

いぼ痔だけでなく切れ痔の痛みもある方には「桂枝茯苓丸」

いぼ痔と切れ痔を併発している場合や、下腹部に痛みや抵抗感がある場合には、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」が用いられることがあります。
この漢方薬は、血行を改善して滞った血(瘀血)を巡らせる代表的な漢方薬です。
血行不良が改善されることで、炎症や痛みが和らぎ、腫れが引く効果が期待できます。
比較的体力があり、のぼせや足の冷えを感じる方に適しています。

元々は婦人科系の疾患によく使われる漢方薬ですが、その血行促進作用から、痔の改善にも応用されます。

いぼ痔の漢方薬を服用する前に知っておきたい3つの注意点

市販の漢方薬は手軽に購入できる一方で、服用する際にはいくつかの注意点があります。
漢方薬も医薬品であり、体質に合わなければ効果が出なかったり、まれに副作用が起こったりすることもあります。

自己判断で服用を続ける前に、効果の目安や副作用のリスクについて正しく理解しておくことが大切です。
また、症状が改善しない場合は、他の病気が隠れている可能性も考えられるため、専門の病院を受診する判断も必要です。

まずは1ヶ月を目安に効果を確認する

漢方薬は、体質をゆっくりと改善していくことで効果を発揮するため、即効性は期待できない場合があります。
一般的に、効果が現れるまでには数週間から1ヶ月程度の時間が必要です。
そのため、服用を始めたらすぐに諦めずに、まずは1ヶ月を目安に継続してみることが推奨されます。

もし1ヶ月服用しても症状の改善が全く見られない、あるいは症状が悪化するような場合は、その漢方薬が体質に合っていない可能性があります。
その際は服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

副作用が起こる可能性も理解しておく

漢方薬は自然由来の生薬から作られているため、副作用がないと思われがちですが、医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。
体質に合わない薬を服用すると、食欲不振、胃の不快感、下痢、発疹、かゆみなどの症状が現れることがあります。

特に、複数の薬を服用している場合や、アレルギー体質、肝臓や腎臓に持病がある方は注意が必要です。
万が一、服用後に何らかの異常を感じた場合は、すぐに服用を中止して、購入した薬局の薬剤師や医師に相談することが重要です。

症状が改善しない・悪化するなら迷わず病院へ

市販の漢方薬を1ヶ月程度試しても症状が改善しない、または出血が増えたり痛みが強くなったりするなど症状が悪化する場合は、自己判断での服用を続けるのは危険です。
いぼ痔だと思っていても、大腸がんや潰瘍性大腸炎など、他の重大な病気が隠れている可能性も否定できません。

特に、排便習慣の変化や体重減少などを伴う場合は注意が必要です。
症状が長引く、悪化する際には、迷わず肛門科や消化器科などの専門医がいる病院を受診し、正確な診断と適切な治療を受けてください。

いぼ痔の漢方薬に関するよくある質問

いぼ痔の改善のために漢方薬を検討している方から、服用期間や他の薬との併用、日常生活での注意点などについて、多くの質問が寄せられます。
漢方薬は西洋薬とは異なる考え方で薬が選択されるため、疑問に思う点も少なくないでしょう。
ここでは、いぼ痔の漢方薬に関して特によくある質問をまとめ、それぞれの回答を簡潔に解説します。

正しい知識を持つことで、安心して漢方薬によるセルフケアに取り組むことができます。

Q1. 漢方薬は飲み始めてからどれくらいの期間で効果が出ますか?

効果が現れる期間は、症状や体質、生活習慣によって個人差がありますが、一般的には1ヶ月程度の服用で効果の有無を判断します。
慢性的な症状の場合、効果を実感するまでにもう少し時間がかかることもあります。

5年以上など、長期間にわたって症状が続いている場合でも、体質に合った漢方薬であれば改善が期待できます。

Q2. 市販の塗り薬や西洋薬と併用しても問題ありませんか?

自己判断での併用は避けてください。
漢方薬と西洋薬、あるいは他の薬を一緒に服用すると、成分が重複して作用が強く出すぎたり、予期せぬ副作用を招いたりする可能性があります。

特に、便秘薬や血圧の薬などを服用している場合は注意が必要です。
薬を併用したい場合は、必ず医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。

Q3. 漢方薬を飲む以外に、日常生活でできるセルフケアはありますか?

食物繊維の多い食事や水分摂取を心がけ、便通を整えることが痔の改善の基本です。
また、長時間同じ姿勢でいることを避け、適度な運動で血行を促進しましょう。

体を冷やさないように入浴で温めたり、排便後は強く拭かずに優しく洗浄したりすることも大切です。
これらのセルフケアを漢方薬と組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。

まとめ

いぼ痔の改善には、体の内側からアプローチする漢方薬が有効な選択肢となります。
代表的な「乙字湯」をはじめ、症状や体質に合わせて「桃核承気湯」や「桂枝茯苓丸」などを使い分けることが重要です。
市販薬も多数ありますが、服用する際はまず1ヶ月を目安に効果を確認し、改善が見られない、あるいは悪化する場合には専門医の受診が必要です。

まれに、痔ろうのように手術が必要なケースもあるため、自己判断で長期間放置することは避けてください。
生活習慣の見直しと並行して、自分に合った漢方薬を上手に活用し、つらい症状の改善を目指しましょう。

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