◆健康新聞平成30年1月号より | |
1.酸素不足と脳 酸素は呼吸によって体内に取り入れられ、血液によって各器官に供給されます。人間の脳の 重量は全体重のたった2%ほどですが、脳の酸素消費量は、全体の20~25%にも及びます 。脳は酸素不足に対しては最も敏感に反応を示し、酸欠には最も脆い器官でもあるのです。
酸素の摂取能力は70才を過ぎると、20才の半分にまで減少します。脳細胞が酸欠になると、当然脳の動きも鈍くなります。やる気が出ない、疲れやすい、集中力が出ない、物忘れがひどい、目の疲れやすい、視力低下、頭重、眠気、めまい…
2.酸素不足とうつ病 うつ病や自律神経失調で体調の悪い人は弱く浅い呼吸をしている場合が多く、弱く浅い呼吸は、血液中の酸素量も減ってしまうので、脳が酸素不足になってしまいます。つまり酸素を多く取り込めば自律神経も整えることに繋がるので、うつ病や気分の落ち込みが改善される場合があります。
2001年にはドイツにはフリー大学のフェルナンド教授の研究により、抗うつ薬よりも有酸素運動の方がうつ病改善に即効性があることが発表されています。この研究では重度のうつ病患者男女12名を対象に、1日30分の有酸素運動を10日間続けました。その結果、6名が著しく改善したそうです。その改善した6名のうち5人は長い間抗うつ剤を続けていたが効かなかった方です。それがわずか10日間の運動で改善したので、精神医学界に衝撃を与えました。
3.酸素不足と認知症
能が物事を記憶するには、多くの酸素を必要とします。酸素不足は記憶を低下させて、物忘れを進ませ、それが続くと認知症になる確率が高くなります。これは脳細胞の中でも記憶を つかさどる「海馬」が酸素不足によって活動が鈍くなっているためです。 能に酸素が送られなくなると脳細胞が破壊され、一度ダメージを受けた細胞は二度と復活しません。酸素を蓄えられない脳は、酸素がないと数分ももたないですし、酸素が少しでも不足すれば集中力が落ちたり、記憶力が低下したりします。
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